新エリューシス

◇神様のルール
恋ヶ窪② 417

ずっと気になってたゲームというのがあります

まだ今ほどボードゲーム関連の情報がたやすく得られなかった時代に、松田道弘『面白いトランプ・ゲーム』(ちくま文庫)は貴重な情報源でした

ハーツ、ジンラミー、クリベッジ、そしてスカートなどの詳細な解説を食い入るように(貪るように)読みふけったものです

この本の中で、創作トランプゲームが2つ紹介されています
1つがデビッド・パーラットの「ナインティナイン」(これも傑作です)で、もう1つがロバート・アボットの「エリューシス」です
以前、このブログでも紹介したトランプゲーム「SWITCH」の考案者がロバート・アボットです

「エリューシス」は簡単にいえば、親の出したお題を他プレイヤーたちが推理していくゲームです

子プレイヤーたちは親が作ったルールに合うように手札からトランプを出していきます
そのカードが正解(親のルールに沿っていたら)か不正解かを、親はジャッジします

不正解ならペナルティです
こうして子プレイヤーたちは親の正解/不正解のジャッジを推理のよりどころにしながらなるべく多くの正解でカードを出していくことを目指します

これが基本ルールです

松田道弘は「エリューシス」を自著に収録するためアボットに使用許可を求めた際、アボット本人から
「このゲームの新バージョンもぜひ紹介してくれ」と、コピーを受け取ったそうですが
「そうでなくてもこの種のニューゲームに不慣れな日本の読者には大きな負担になりそうなので旧バージョンだけを掲載した」そうです

その新バージョンというのが『マーチン・ガードナーの数学ゲームⅠ』に「新エリュシス遊び」として紹介されてます
数学ゲーム

旧バージョンでは標準トランプ1パックを使いますが、新バージョンでは2パック混ぜて使います
テーブル上にずらーっと並べていくので、今回はソリティア用のミニサイズデッキを使いました

親は〔神〕と呼ばれ、子プレイヤーは〔科学者〕となります
神がつくりたもうたルール(自然界の摂理、公式)を、科学者たちが試行錯誤するというわけです

科学者たちは帰納法によって神のルールをいち早く見つけて自分の手札をなくすことが目的です


科学者たちに手札を14枚づつ配ります
そして神は秘密のルールをメモに書きます
例えば「赤と黒のカードを交互に出せ」とか「スペード・ハート・ダイヤ・クラブを循環せよ」などです

残ったカードデッキから1枚オープンしてそれをスタートカードとします

このスタートカードから繋げていくのですが、最初はどうしたって当てずっぽうなので1番目のプレイヤーはあまり嬉しくない位置です
そこで、スタートカードの数字の順番目の人が最初のプレイヤーになります
スタートカードが5なら、親の左から時計回りに5番目のプレイヤーが最初にプレイする、というわけです

子プレイヤーが出したカードがルール通りなら親は「正解」といい、そのカードはメインライン(ルールに合致したカードの列)に並べていきます

間違っていたら「不正解」となり、そのカードは間違った場所から縦のミスラインに置かれます
これで正解と不正解の情報が確認しやすくなるわけです

そして不正解なら科学者はペナルティとしてカードを2枚受け取ります
はじめのうちは間違えてもペナルティを受けるだけですが、全体でカードが30枚出たあとはサドンデスとなり、間違えたらゲームから脱落します

もし自信があれば2~4枚までまとめてプレイしてもOKです
ただしその中の1枚でも間違っていたら(どれが間違っているかは神は言わない)、まとめてミスの列に置かれて、プレイ枚数×2のペナルティを受けます

さらに自信があれば、自分がプレイした直後に〔預言者〕になることができます
〔預言者〕はそれ以降、〔神〕の代理を務めます

〔預言者〕自信はプレイしないで、科学者たちのプレイに対して「正解」「不正解」をジャッジするのです
〔神〕は〔預言者〕のジャッジが正しければ「承認」、間違っていれば「否認」とコールします

「否認」だった場合は預言者は直ちに追放されて、また普通の科学者に戻ります(ペナルティ5枚を受け取ります)

預言者の登場から20枚プレイされてもサドンデスとなり、それ以降ミスしたらゲームから脱落です
こうして全員が脱落するか、誰か1人が手札をなくしたらゲーム終了です

ゲーム終了時に、一番多くの手札の枚数が基本点となり、自分の手札枚数の差額が科学者たちの得点となります

一番多くの手札を持っている人は0点で、手札を使い切った人は差額+ボーナス4点を得ます

親(神)は、科学者の最高得点と同額です
あまり難しすぎる問題だと、だれも正解をだせずに手札の差がつかないために親の得点は伸びません

そして預言者は、上記の自分の得点(科学者としての)の他に預言者ボーナスがあります
預言者が登場して以降のメインライン1枚につき1点、ミスライン1枚につき2点を獲得します

預言者はオイシイ汁をすすれるわけです

そして預言者がいた場合の親の得点はちょっと変化します
預言者が登場する以前のカード枚数(メインもミスも含めた)の2倍の得点と、競技者の最高得点を比べて低い方を採用します

親は、あまり早く真の預言者に登場されると得点が低くなるわけです

「ディクシット」や、最近では「HYKE」などのように、お題をだす場合は”難しすぎず、簡単すぎず”といった問題作成のセンスが必要なのです
ちょうどいい塩梅が大事なのです

4人~8人くらいまでということだったので、6人でプレイしてみました
最初は僕が親になり、初見プレイヤーばかりなので紹介記事に載っていたお勧め問題にしてみました

ところがこれが当たらない、当たらない
科学者が5人もいて、まったく正解しません
恋ヶ窪② 378
*メインラインから外れているカードはミスしたカード。中央に白いチップが乗っているが、10枚ごとにチップを乗せていく。30枚を超えるとサドンデスになる。その先の青いチップは、そのタイミングで預言者が登場したことを表示している。30枚によるサドンデスはいったんリセットされ、預言者が登場してから20枚プレイされたらサドンデスとなる

*黒と赤が2枚づつ繋がるという仮説を立てた科学者もいましたが、ハズレです

途中、何人も預言者も現れましたが次々と追放です。偽預言者ばかりです
トランプ2組を使ったのですが、ペナルティのカードがなくなってしまいました

ペナルティ用の山札がなくなったときの処理は紹介記事には載っていなかったので、しょうがなくそれ以降ミスしたら脱落ルールで続けましたが、やはり最後まで正解者は現れませんでした


親を交代してもう1プレイしましたが、またまた正解者は現れず・・・
科学者がボンクラすぎるのでしょうか
恋ヶ窪② 381
*神はヒントを言ってもよい。この場合は「スートは色もマークもまったく関与しない。数字のみの配列である」でした。ぼくは最後のカードが奇数だったら次のカードはそれ以下の数字、偶数だったらそれ以上の数字、という仮説を立てて何度か正解したのですが、この仮説は間違ってました・・・

試行錯誤のすえ、ピンとくるひらめき思考を「Aha!反応」といいます
パターン認識系の「SET」「おばけキャッチ」やパズル系の「ハイパーロボット」などはある程度の慣れが必要で、それ専用の思考回路に脳をリセットしないとうまくいきません

そういう意味で「エリューシス」も、問題の傾向のパターンをある程度掴むまではまったくの五里霧中でしょう

あるブログ記事では「面白くてぶっつづけで5時間、遊んでしまった」ともあるので、やはり同じメンツでじっくり遊ぶことでコツが掴めてくるような気がします

一度くらいは霧の中をさ迷っているうちに、突然霧が晴れて景色がパーっと広がる瞬間を味わいたいものですがw

というわけで

ちなみに2ゲームめの神のルールがこれ
120529_0346~01


*3で割りきれたら絵札を出せ。余りが1なら奇数、余りが2なら偶数を出せ。解かるか!

なお、僕が参考にした1ゲームめの問題のルールは「奇数なら次は黒のカードを出せ。偶数なら赤を出せ」でした
それでも考えすぎたのかさっぱり当たりませんでした


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流星キック1998

Author:流星キック1998
チャンスがあればいつでもボードゲームがしたい!誰か遊んでプリーズ

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