村の人生

◇日本人よ、これが人生ゲームだ!
恋ヶ窪3月10日 081

2012年ドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞しており、評判も上々らしいのでぜひ遊んでみたかったゲームのひとつです(日本語版も拡張入りで発売決定のようですし)


プレイヤーは村(Village)に囚われています
ここから逃げ出そうと画策しますが、かならず最後は謎の白い球体に包まれてこの村に戻されてしまうという・・・・


あ、これは別のヴィレッジの話でした(;^_^

プレイヤーの家族たちは村で生活を営み、時間の経過によっては人生を全うします
そして最後に一番、勝利点を得たプレイヤーが勝利します

各プレイヤーは個人の農場ボードを持っており、最初に①のナンバーをつけた家族コマを4つ持ちます
②番以降の家族コマはサプライ(補給用)になります
恋ヶ窪3月10日 082


ゲームボードは村の景観になっており、そこにはいくつかのアクションエリアがあります
その家族コマを配置してそのアクションを実行するのかと思いきや、そうではありません

まず
ラウンドの最初にアクションエリアにプレイ人数に応じた資源キューブを分配します
そして手番が来たとき、それらの資源コマをピックアップ(獲得)することでそのエリアのアクションを実行する、という手順なのです

例えば〔収穫エリア〕のキューブを取ると、麦袋を獲得します
〔収穫〕は自分の農場に家族コマがいるだけで発動できますが、他の〔作業場〕〔議会〕〔教会〕〔旅〕エリアのアクションは、自分の家族コマを派遣させることになります


家族コマを派遣させると、当然、農場には人がいなくなってくるので〔結婚エリア〕のアクションで、サプライから家族コマを補充するのです
しかし、必ず数字の低い順番に補給しないといけません

第1世代の次は第2世代、というわけです(決して個人識別のための国民総背番号制ではありません。ましてや№6はこのゲームには関係ありません
恋ヶ窪3月10日 083
*エリアごとに毎回ランダムに資源駒が適宜、配置される
手番に資源駒を獲得することでそのエリアのアクションを実行できる(しなくてもいい)
資源駒はアクションのコストとしても使うので、どの色の駒を獲るのかのジレンマもある
疫病駒()はどうしても残りがち


多くのエリアのアクションは、家族コマを派遣することで実行できるのですが、そこでたいてい時間経過が処理されます

例えば〔作業場〕に家族を働きに出した場合、その職種を会得するまでの修行期間としてまず人生トラックを2マス進めます

鋤やら、幌馬車やらのアイテムを作るにはさらに特定の時間がかかります
いろんなアクションをするたびに、時間が経過していくわけです

そんなこんなで人生トラックを1周すると、家族の誰かが死にます

死ぬのは優先的に世代が早い順です
最初は第1世代が死んでいき、そして第2世代・・・という人生の巡りです

子供より親が先に召されるのは自然の理なのです

死んだら当然もうそのコマはゲームには使えませんが、実は死ぬと村の記録帳に記録されるのです
名もない一人の村人がこの村に住んでいたという確かな証が、記録されるというわけです

そしてその駒が最後にどのエリアにいたかで、記録される場所が決定されます

最後にどこで死んだか
〔作業場〕にいたのか、〔議会〕にいたのか、もしくは〔旅〕に出ていたのか・・・
ただの木製に過ぎない人型コマの人生の幕切れをイメージできる、これはけっこうすごい仕組みです

葬式で故人を偲ぶシーンが思い浮かびます
「トーマスは鋤職人、一筋じゃった。あまり腕はよくなかったがのぉ」
「ミハエルんとこの息子は旅ばかりしとった。最後はお城でコインを受け取るはずだった」


実際はトーマスじいさんは、旋盤機械に挟まれての胴体切断の事故死かも知れませんし、ミハエルの息子は城でコインを盗もうとして死刑になったのかも知れませんが
村の人生追加 001
*紋章は最後に死んだ場所を意味する
しかし記録帳にも書き込めるスペースが限られていて・・・


しかしこの記録帳には書き込めるスペースが決まってます

つまり、すでにその場所が埋まっているとそれ以降死んだコマは人生の証もなにもなく、ただの共同墓地に埋葬されるのです!

慕名碑に名前を刻むのも早いもの勝ちです
牧歌的だと思われた村の生活もやはり、競争社会なのです

世知辛いシステムですが、人生とはそういうものです
諸行無常のメカニクスあり、です

ゲーム終了後、村の記録帳に3コマ以上記録されていると勝利点がもらえます
3コマで4点、4コマで7点、5コマ以上で12点です

1~2コマは得点になりません

ということは
ある意味、どこかで早く家族に死んでもらわないといけない、ということです

「記録帳が埋まりそうだから、そろそろじいちゃんに死んでもらわなきゃ」
なにやら、保険金的な匂いすらしてきましたが・・・
恋ヶ窪3月10日 090
*教会わきの共同墓地
記録帳がいっぱいになると、こちらに埋葬されてもちろん得点はない
じーちゃん、死ぬの遅いよ!

エリアのアクションは、資源コマをピック(確保)することで発動します
そして、それを時計回りに資源コマがなくなるまで続けて1ラウンドです

資源コマは、旅のルートや、幌馬車などの製作のコストとして使用します
ですから、どのアクションを先にやるか(回数が決まってるから)という判断と同時に、どの色(種類)の資源コマをピックするか、という判断もあります

ところが資源コマの中に、真っ黒い”厄病コマ”というのがあります
もちろん厄病コマをピックしてもちゃんとエリアのアクションは実行できますが、この■黒コマを取ると自分の人生トラックを2マス進めなければならないのです

最初は
「黒コマ取りたくないけど、アクションするためにどうしても取らなければならんのよなー」
というジレンマのための存在だと思ってました

しかしゲームの終盤近くになると記録帳との絡みがあって、率先して黒コマを取ることになります

これまでは〔教会〕のアクションは茶色キューブをコストで支払っていればよかったのですが、ある時期から茶色キューブを持っているのに、わざわざ”時間を3マス消費”のコストを選ぶようになります

〔作業場〕の鋤製作では、家族コマの派遣で時間3消費、鋤の製作にさらに3消費します
いっぺんに人生トラックを6マスも進められるんです!

家族がせっせと鋤の製作に励みだしたら、じーさん、そろそろお迎えです
恋ヶ窪3月10日 086
*疫病コマもピックすればアクションはできるので、どこかで獲らざるを得ない
しかし終盤は、競ってこの黒コマを獲ることになろうとは・・・

村の記録帳か、共同墓地が全部埋まったらゲーム終了です

このゲームは得点の取り方がたくさんあります

〔旅行〕では、どれだけ他の都市を回ったかによって得点が違います
〔議会〕や〔教会〕では、レベルが上がるほど高得点です

しかも〔議会〕と〔教会〕は、ゲーム終了まで家族コマを残していないと得点になりません
第1世代のコマのレベルを上げても、どこかで死亡する可能性があります
ですからここでレベルを上げるなら、なるべく若い世代の方がいいわけです

〔市場〕はちょっと特殊なエリアです
このエリアだけは、全員が市場の買い物フェイズに参加します

買い物客が欲しがっているアイテムをコストで支払うことでそのタイルを獲得します
売れない、売りたくない場合は買い物フェイズをパスします
一度、タイルを獲得しても手番が回ってくればまた売ることができます(売るアイテムがある限り)

全部のリソースは完全公開情報なので、他のプレイヤーが買い物客タイルを獲得できそうにないな、と判断したら〔市場〕アクションを宣言すればいいわけですね
恋ヶ窪3月10日 085
*市場には買い物客が列をなしている
そのタイルのリソースを支払えば屋台の前に配置されてるタイルの中から獲得できる
このタイルは直接、勝利点なのでできれば高得点タイルを取りたい


これらの得点手段をまんべんなく視野にいれてプレイするか、どこかに絞るのか悩みどころですが、実際は2つか3つを軸にゲームを進めていく感じでしょうか

〔議会〕〔教会〕は1コマにつき得点が入るので、なるべく高レベルにいっぱいコマを送ったほうがいいのですが、家族コマを置きっぱなしにするということは、死亡するコマが少なくなるということです

〔市場〕の戦略が強いのかなと思われるのは家族コマを派遣しなくていいからというのと、買い物客タイルに対応するコストのほとんどは〔作業場〕で生産されるという理由もあるでしょうか

つまり〔作業場〕⇒〔市場〕というコンボが非常にわかりやすいのです

〔旅行〕では全6都市回れば18点になり、都市を回るときに即金で合計6点も入ります
つまり〔旅行〕では最大で24点が計算できます

〔旅行〕には幌馬車のアイテムが必須なのですが、幌馬車は〔作業場〕で作ることもできますが実は〔議会〕でレベル3まで上がれば、任意のアイテムタイルが無料でもらえます

〔教会〕でレベルを上げるには麦袋が必要です
これは〔収穫〕アクションで入手でき、しかも鋤+馬や、牛などのアイテムがあれば1アクションで大量に麦袋を確保できます(しかし農場ボードには上限5袋までですが)
恋ヶ窪3月10日 087
*鋤+馬、もしくは牛アイテムがあると麦袋が大量に生産できる
そしてこれらのアイテムタイルは市場で売ることもできるのだ

このように
どこで得点を狙うとしても、いくつかのアクションエリアとの絡みがあり、悩ましさは尽きません

派遣ばかりしてると農場に家族が足りなくなるから〔結婚エリア〕で子孫を増やすことも忘れずに
村の人生追加 006
*結婚アクションでサプライから数字順に家族コマを増やせる
もしくは派遣している家族コマを農場に戻すこともできる


スチュワート・ウッズに『警察署長』という傑作ミステリーがあります
これはデラノという町で起こったある事件を中心に、40年間に警察署長が3人替わるという大河ドラマです
警察署長

「村の人生」は数世代にも渡る大河ドラマボードゲーム、といえなくもありません

世代交代といえば「スモールワールド」があり、種族の衰退⇒交代を非常にドライに戦略に組み込んでますが、こちらは架空のモンスターばかりなのであまりウェットには感じません

ボードゲームはこれまでにもアメーバの人生をテーマにしたり、死体のパーツで人造人間を造ったりしてきましたが、村の記録帳で先人の思い出を偲ぶというアイデアも、エリアマジョリティとして処理してしまうのはゲーマーの悲しいサガでしょうかw

ボードゲーマーとは、そういう生き物なのです


ということで
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Author:流星キック1998
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