◇ショウシゾウシャマホウ
古代インドの
チャトランガという戦争シュミレーションゲームが世界中に広がり、西洋のチェス、中国では象棋(シャンチー)、タイのマークルックなど地域によって発展していきました(日本の将棋ももちろんその流れにあります)
象棋(シャンチー)は双方が
7種16枚ずつの駒を使う中国将棋ですが、この駒を使って4人で遊ぶのが
打棋子(ダーチーツ)です

中国系で4人限定ゲームといえば麻雀が有名ですが、これは
なんとトリックテイキングゲームです
本来は象棋の駒や打棋子
専用の牌もあるのですが、今回はGMで販売されるカード版で遊びました
カードには漢字しか書いてありませんこれは
シャンチーの駒をそのままカード化してあるので当然です
しかし日本の将棋を知っていれば、王、金、銀、桂馬・・・などと書かれてあれば
だいたいの強さは判りますが、シャンチーに馴染みがないので初見でパッと見て
どのカードがどのくらい強いのかさっぱりわかりません
説明しましょうシャンチーも基本的には戦争をテーマにしているので
軍隊の序列になっているのは明らかです
将(将軍)士(騎士)象(エレファント)車(戦車)馬(騎馬兵)砲(大砲)卒(兵士)
将>士>象>車>馬>砲>卒 というランクオーダーです
ショウシゾウシャマホウ・・・将士象(
しょうしぞう)車馬砲(
しゃばほう)と覚えておくと便利だそうです(卒はとりあえず無視)
将(1枚)
士象車馬砲(×2枚)
卒(5枚)で、
同じ組み合わせでもう1セットあります
つまり黒と赤の2スート×16なので、
全部で32枚デッキです
実は赤スートの文字はニンベンが付いてるなど、黒スートとは見た目が若干違ってますが
同じ構成です
こちらも同じ「
しょうしぞうしゃばほう」なのです
最初に各プレイヤーはいくらかのチップを持ちます(20点持ちくらい)
牌を使うゲームならダイス2個を振って麻雀のように最初の親を決めてもいいのですが、なければ適当にジャンケンで
最初の親を決めます
親はカードを4人に(反時計回り)配りきります
2枚づつほどまとめて配ってかまいません
手札は8枚づつになります
ショウシゾウシャマホウ・・・親がオープニングリードで、
マストフォローのトリックテイキングをプレイします
しかし
打棋子でフォローするのはスートではなく、出し方に対してです
カードの出し方は
・1枚出し(シングル)
・2枚出し(ペア)
・3枚出し(トリプル)
・順子(シュンツ)出し
・4枚出し
・5枚出しの6通りがあります
フォローするのはこの出し方に対してです
大貧民(大富豪)の要領ですので、このあたりに馴染みがある人には説明が楽です
しかし大貧民系と違うのは、
上回れるコンビネーション(カードの組み合わせ出し)が出せないときは
リードに対応する枚数のカードを手札から伏せて捨てなければなりません
例えばリードが2枚出しで、それを上回る2枚出しができなければ手札から2枚を捨てます
トリックは1順なので、大貧民のようにいったんパスしておいてまた手番が回ってきたらなんとかしよう、ということはできません
ショウシゾウシャマホウ・・・
*勝てない場合は、同じ枚数だけディスカードそのトリックに勝ったプレイヤーは
自分が出したコンビネーション(プレイしたカード)だけを自分の前に配置しておきます(その他のカードはまとめて捨てます)
自分の前に何枚カードを何枚獲得したかによって、
ラウンド後のチップのやり取りに関係してくるからです
当然、
トリックに勝ったプレイヤーが次のリードを行います
こうして手札を使い切ったら1ディール終了なのですが、実は打棋子は
最後のトリックを取ったプレイヤーだけが勝者となって、
次のラウンドの親になります
麻雀では親は順番に回ってきますが、このゲームでは
ラストトリックを取らない限り親にはなれません最後のトリックの勝者
以外のプレイヤーは、
自分が獲得したカード枚数を確認します
トリックに何回勝ったかではなく
カードの枚数です
基本点は4点です
4点から獲得枚数を差し引き、その
差額のチップをラストトリック勝者に支払います
獲得したカードが2枚なら
差額の2点を、1枚しか獲得してなければ
3点を支払います
4枚獲得していれば差し引きゼロなので支払わなくて済みますただし
もしカードを1枚も取ってなければ、
1失点を加算して
5失点を支払います
ラストトリックの勝者が何枚カードを取ったかは関係ありません
3枚以下でも失点することはないのです
ですからラストトリックを取れなくても、4枚以上のカードを取っていれば失点しなくて済むどころか4枚以上カードを取っていたら差額分、親からチップをもらえます
ショウシゾウシャマホウ・・・結構ゆる~い感じでしょうか
しかしラストトリックを取ったプレイヤーだけが
親になる権利があります
親になれるかどうか、がこの打棋子の重要なポイントなのです

最初のラウンドだけは、チップは基本点(4点)からの差額分のやり取りですが、それ以降からは
支払い額が2倍になります
もし2ラウンドめで
1枚もカードを取ってないと、
親に10チップ支払うことになるのです
もちろん、親だったプレイヤーが次のラウンドで勝てなかったら(ラストトリックを取らなかったら)、
勝者に倍付けで支払うことになります
もし親が連勝(レンチャン)したら、その
次のラウンドの支払いは3倍になり、さらに
次は4倍と、
どんどんインフレが進みます!
20チップ持ちだと、
あっという間に箱テン(破産)になるでしょう
麻雀と同じで親の連勝を許してはいけないのです
ショウシゾウシャマホウ・・・プレイについてもう少し詳しく説明します
出し方のコンビネーションはすでに説明しましたが、
同ランクなら黒より赤スートの方が強くなってます
ですから正確にいえば
師将・
仕士・
相象・
車車・
馬馬・
炮砲・
兵卒(ニンベンの車と馬は変換できず)
*同じ馬なら赤字のほうが強い例えば
【砲砲】のペアに【
炮炮】は勝ちます
しかし【卒卒卒】には【
兵兵兵】しか勝てません。なぜなら
同ランクで3枚以上のコンビネーションを作れるのは最下層の【卒】と【
兵】しかないからです
立場は弱くても数でなんとかなります
コンビネーションは同ランク(刻子)だけではなく、シークエンス(順子)もあります
この順子の組み合わせが例の呪文:
ショウシゾウ・シャバホウなのです
【
師仕相】【将士象】【
車馬炮】【車馬砲】
順子(シュンツ)は3枚出しですが、
上回る順子出しでしか対抗できません黒の【車馬砲】が弱く、順子出しで一番強いのは赤の【
師仕相】です
しかしたとえ順子出しで最強の【
師仕相】を手札に持っていたとしても、リードが取れずに切り崩されていく、ということはよくあります
つまり手札にそれほど強いコンビネーションを持っていなくても、なんとかなってしまう・・・というより、いくら強いコンビネーションを持っていてもどうにもならないところがこのトリックテイキングゲームの面白いところでしょう
ショウシゾウシャマホウ・・・
あ、
大事なルールを忘れてました!
このゲームではラストトリックを取るのが目的ですが
・それまで1枚もカードを獲得しておらず
・ラストトリックが1枚出しだった場合決してそのラストトリックには勝てない、という特殊なルールがあります
ラストトリックだけが勝利の条件というのはトランプでも「スパー」などがありますが、打棋子の場合は、取得カードが1枚もない場合に限り、ラストトリックが1枚出しなら勝つ権利がない、ということになります
いくら手札に1枚出し最強の【
師】を1枚だけ持っていたとしても勝てません(つまりディスカード)
ショウシゾウシャマホウ・・・しかし
ラストトリックが
2枚以上の複数出しならその限りではありませんそれまで
1枚もカードを取ってなくても最後のトリックの
リードが2枚出しならば、それに勝つことでラストトリックの勝者になれます
要は、
1枚だけ獲得してラウンドの勝者にはなれないというルールです
つまりラウンドの勝者は
最低でも2枚のカードを獲得することになります
勝者は取得カードが4枚以下でも関係ないのです
とはいえなるべくトリックに勝ってカードを集めることで、ヤキトリ(1トリックも取れない)プレイヤーを1人でも増やせば十分な収入が見込めます
手札は8枚で、複数出しがあるので
5トリックくらいで終わるお手軽なゲームです
初期手札の
運次第のところもありますが、1ゲームが短いので繰り返して遊んでも疲れません
ヤキトリだと失点が大きいので最低でも1枚、できれば5枚以上カードを獲得できればラストトリックに勝てなくてもまだ十分です
とはいえ
手札が悪ければどうしようにもなりませんがw
ショウシゾウシャマホウ・・・
32枚しかないのでカウンティングも簡単そうですが、勝てない場合は伏せて捨てられます
つまり最後まで他のプレイヤーがどのカードを手札に残しているか解らないので、短いながらも最後まで緊張が途切れません
基本はギャンブルゲームなので、運要素が強くてワンプレイが軽いです
1ゲームも遊べば、ランクの強さにも慣れるでしょう
ショウシゾウシャマホウ・・・そうすればもう1回、となること請け合いです
ランクの強さはショウシ・・・
というかもう、
ランクの強さはみなさん自然に覚えたのではないでしょうか
このレポートを読むだけで自然に覚えるなんて、もしかしてサブリミナル・・・
ショウシゾウシャマホウ・・・ということで
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