99ナインティナイン

◇3人定番トリテ
パーレット

デビッド・パーレットDavid Parlettといえば1982年に第1回のドイツゲーム大賞を受賞した「うさぎとハリネズミ」のデザイナーとしてよく知られてますが、元はゲーム研究家なのでオリジナルのトランプゲームをたくさん発表しています
ウサカメ

「99Ninety-Nine」はその中でもかなりポピュラーな3人用トリックテイキングでしょうか


トランプの標準デッキから2~5を取り除きます
使うのはAKQJ10,9876とジョーカーの37枚です

ゲームの目的は宣言したちょうどのビッドを達成することです
普通、自分の手札を見てから「今回はなんトリックくらい取れるかなぁ」と思案するものですがこのゲームはそのあたりが一味違います

まず
カードを配りきったら、最後の1枚はオープンします
これは切り札表示カードになります(これがジョーカーか9ならノートランプ)
そして手札をよくみて、手札から3枚のカードを使ってビッドの宣言をおこなうのです

3枚のカードを組み合わせて、0~9までの数をビッドするのです
しかし
ビッド用で使うカードは数字は無視して、スートだけを注目します
クラブ:3
ハート:2
スペード:1
ダイヤ:0

を表してます
だから最高は3枚の9ビッドで、最低は3枚の0ビッドです
(覚え方>モコモコが3つ、ふくらみが2つ、とんがりが1つ、0に似てる)

ビッド用の3枚のカードは自分の前に伏せます。これはゲーム終了まで明らかにされません。つまりシークレットビッドなのです
恋ヶ窪② 118
*あなたなら、なんビッドしますか?

手札13枚からビッドをメイクするわけですが、どの3枚を使うのか、これがアタマを使います
3枚伏せカードにするということは、実際にプレイを行う手札を10枚に整理することでもあります

単純に手札を強くするだけなら、弱いカード、もしくは少ない枚数のスートカードを除外することでボイド(スートをなくすこと)を作ることができるのですが、このゲームでは獲得トリックが宣言ビッドちょうどでなければ成功にはなりません

例えば宣言ビッドを5にしたい場合、3枚の内訳はの組み合わせがあります

そしてそれらの組み合わせで、どの数字のカードを伏せカードにすればちょうど5トリックが取れる手札がメイクできるのか、これが一番悩ましいところなのです

逆にいえばボイドを作るために除外するカードのスートに応じてビッド数を調整しなければならない場合もあるわけです

必ずしも強いカードばかりを残すのが得策とはいいきれません
宣言ちょうどのビッドを成功させるためには、必勝カードとともに、必敗カードも視野にいれておかなければならないからです
恋ヶ窪② 113
*ビッド伏せ。あとはちょうどトリックを取ればいい。上手くいくかどうか

ディーラーの左隣(エルデスト)からオープニングリードします
マストフォローです

10トリックが終了したら、それぞれ宣言ビッドが成功したかどうかを確認します
3人とも成功すれば、それぞれ10点です

2人が成功ならば(つまり1人が失敗)、成功者2人はそれぞれ20点づつ
1人だけが成功ならば、成功者は30点を得ます

ビッドに失敗したからといって失点はありません
それにビッドの成否に関わらず、獲得トリックにつき1点もらえます

だからどうせ失敗するならいっぱいトリックを取ったほうがいいでしょう
とはいえ
自分のビッド失敗が他人の利益になることだけは確かなのです

多くても少なくてもビッド失敗
ピンポイントでトリック数をコントロールしながらプレイしなければなりません
もうドキドキもんです

プレイの途中で、勝てそうなのにあきらかにしゃがんだな、と思える場面があったとすると、そのプレイヤーはそれ以上トリックを取りたくないのかも知れません

だとすると、そのプレイヤーは勝ちに来ないだろうと予測できれば多少微妙な強さのカードもリードしやすくなるってもんです
しかし、このゲームは王道のマストフォローです

勝ちたくなくても心ならずともフォローして勝ってしまうこともなきにしもあらずなのです
だいたい9枚は伏せられているので、完全にカウンティングすることもできません

だからこそ、宣言ビッドを達成できると、思いのほか嬉しいですw
恋ヶ窪② 117
*あ、虎の子のKがトランプ(切り札)で斬られた!やばい・・・

このゲームにはさらにプレミアムビッドのボーナス点もあります
ラウンドの最初に3枚を伏せてシークレットビッドをした後、ゲームを始める前にプレミアムビッドを宣言するチャンスがあります

・デクレア:伏せた3枚をオープンしてビッド数を公開すること
・リビール:さらに手札もオープンしてプレイすること


ディーラーの左隣からデクレアを宣言するかパスするか、のコールをします(全員パスならプレミアムビッドはなし)
もしデクレアを宣言したら、それ以降のプレイヤーはもうリビールしか宣言できません

デクレアによってビッド数を公開したら、当然他の2人はその宣言が失敗するように動いてくるでしょう
ところがこのゲームは自分のビッド達成にも気を配らないといけないので、そうそう他人が失敗するように動けるものではありません

やりようによっては意外とデクレアの成功率は高いような気がします
(といいながら僕は失敗しましたが・・・)
恋ヶ窪② 121
*おらー!デクレアかましたれー!

リビールは見たことありませんが、やるとしたら0ビッド、つまりミゼール宣言のときくらいでしょうか
*通常ゲームはディーラーの左隣のリードから始まりますが、リビール宣言の場合は宣言者がリードプレイヤーを指名できます(自分でもOKです)

まずビッドを公開して、リードプレイヤーを指名してそのプレイヤーが最初のリードカードをプレイしたら宣言者は自分の手札を公開する、という手順です

デクレア成功はボーナス30点で、リビール成功は60点です!

このゲームの1ラウンドでの最高得点は、リビール成功60点、一人勝ち30点、9トリック獲得9点の合計99点です

だからナインティナインなのです!(これは『面白いトランプゲーム』に書いてありました)

ディーラーを3回づつ勤めたらゲーム終了です


ジョーカー

そういえばこのゲームではジョーカーを使います
このジョーカーはオールマイティでもワイルドでもありません

手札を配りきったときに最後のカードが切り札表示カードになりますが、手札のジョーカーはその切り札表示カードの代わりにするのです

身代わりカード、というところがミソ

切り札表示を見てから、そのカードを手札のジョーカーと取り替えてしまうと切り札の1枚が誰の手札に入ってしまうか判ってしまいます
切り札を表示しながら、誰がそれを持っているかわからないようにする工夫がこのジョーカーの扱いかたなんですね

これには感心しました

パーレットはジョーカーのこういう使い方が好きだと見えて、他の自分のオリジナルトランプゲームでも利用してます(Agony Auntなど)


ところで
久しぶりにこのゲームを遊ぼうと思い、ゲームファームで確認したらルールに変更があるのでビックリしました

まずジョーカーは使いません
36枚の配りきりです


最初はノートランプで始めて、次のラウンドからは前のラウンドで何人ビッドが成功したかによって切り札が決まるのです

・3人成功⇒クラブ
・2人成功⇒ハート
・1人成功⇒スペード
・0人成功⇒ダイヤ

あとは誰かが100点になったらゲーム終了です
他はほぼ、オリジナルルールに沿ってます

切り札表示カードがあるという親切設計(そしてジョーカーの使い方)が僕はお気に入りなのですが、慣れてくればパーレット自身による改訂バージョンでも遊んでみようかな


ゲーム会などで3人用のゲームが見当たらないというときに遊ぶのに最適です
あ、いや、見当たらなくてもスーパー級でおススメです

ということで

ちなみに
パーレット氏の写真に写っているのはchop sticksというゲームのプロトタイプだそうです
2009年の写真ですが、その後、商品化されたのでしょうか

5EFFECT

◇足して5にして寝返らせろ
恋ヶ窪② 056

「ピック ア ぴっぐ」に続いて、サークル主催者さんの上海の収穫品です
ちょっとヒトクセある2人対戦用の準アブストラクトゲームです

正方形カードをボードに配置していくのですが、これがボードではなくて折りたたまれていた紙なのでできればよくシワを伸ばしておくのがいいでしょう

最初に
カナイ製作所の『RRR』のようなもの、と説明を聞いてルールの半分はわかりました
カードはどちらの方向を向いているか解かるようになっており、配置することで相手のカード(つまりこちらを向いている)をひっくり返して自分の味方にしていき、先に相手の居城(ボード手前中央のマス)のカードをひっくり返したら勝ちです

このゲームは2段階に分かれています
第1段階は、
3×6の18マスのボードにカードを配置していくフェイズです
恋ヶ窪② 060
*背景に色が着いているのがアクションカード。緑は追加手番で、黄色は相手が配置したカードを除去する、だったかな

カードは0~4までの数字カードがあり、このフェイズで手札からボード上にプレイしていき、山札から補充していくという運の要素が絡んできます
最初は6枚づつ手札を持っていて、カードをプレイして手札が4枚以上あればカードを4枚になるように捨てます
(4枚以下ならば補充する)

他にはアクションカードがあります
アクションカードは手番中に何枚でも使えます
アクションの効果で、追加で数字カードを配置したり、置いたカードを入れ替えたり、邪魔なカードを除去したりして有利な陣形を整えていくのです

手札が悪ければ捨てて、山札から補充してもかまいません

こうしてボードに数字カードを置ききったら第1段階は終了です
残りの手札や山札はもう使いません

第2段階は、配置された数字カードによって相手の居城を攻める攻防が始まります
恋ヶ窪② 055
*カードプレイでボードに数字カードを置ききったら、次のフェイズになる

では相手のカードをひっくり返す方法を説明します
『RRR』では、タイルごとの能力でいろんな効果が発動しましたが、こちらは隣接する数字カードの合計が5になったら相手のカードをひっくり返せます

ボード上はカードでいっぱいなので、できるアクションは自分の隣り合った2枚のカードを入れ替えることだけです

こうして動いた(入れ替えた)2枚のカードはアクティブとなり、アクティブなカードと隣接しているカードの合計値が5になったらその先の相手のカードがひっくり返ります

写真で説明しましょう
恋ヶ窪② 065

手前中央の下から2、3段目はそれぞれ[4][1]の数字カードです
この2枚を縦方向に入れ替えると、その2枚の合計が5になるので、その先(上)の相手の[0]がこちらの味方となり、ひっくり返せるのです

[4][1]は最初から合計5ですが、どちらも動かされていない限り効果を発動することはありません
つまり入れ替えアクションを行って初めてその2枚のカードがアクティブになるのです

そして実はひっくり返ったカードも今、アクティブになったのでそのカードでまた合計5になったらさらに効果は発動します

つまり5の効果(エフェクト)は連鎖するんですね

合計値5でひっくり返せる効果は縦と横だけではなく、ナナメでも発動します
そして相手のカードを挟んだ場合でも、効果は発動します

どのカードを入れ替えたらどう連鎖していくか、このあたりは非常にパズル的です
だからちょっと長考入るかも知れません

ゲームの勝敗の要である下段の中央にある居城をひっくり返すには、縦2枚で合計5を作るか、両サイドから合計5になる2枚のカードで挟むしかありません

今回は、こちらが[1][2]のカードしか残らなくなったので投了で終了です
[1][2]の2枚しかなければどうしたって合計5にはなりませんから
恋ヶ窪② 069
*投了。連鎖をうまく使えば勝てる。もしかして千日手もありうるかも

上海のデザイナーが始めて作ったゲームだそうですが、悪くはありません

アブストラクトゲームを2段階構えにしているところは面白いアイデアです
ただし英文ルールがなかったために、ルールの解釈にあいまいなところが見受けられました

それからカードのデザインはシンプルでいいのですが、モノクロでシックすぎてパッと見カードがどちらのサイドを向いているのかが分かり難い

本当はカードの裏表で色違いにして、5効果で裏表をひっくり返せば色違いになってわかりやすくなると思うのですが、両面印刷にすると第1段階での配置フェイズが成立しません

配置フェイズをカードプレイの攻防にしたのは意欲的なアイデアだと思いますが、逆にここがもっさりしている印象です

いっそ数字カードだけにして、山から5枚くらいオープンして交互にそこから1枚づつ取っていって配置していく、というドラフト方式の方がスッキリしてたかも知れません
(まあこれはバリアントで遊ぼうと思えば遊べますが)

それからカードのデザインですが
中央には数値を抽象化したアイコンが描かれてます。ここは単純に数字を書いたほうが自分からちゃんと見えるカードは自分のカード、と解かりやすかったのではないでしょうか

慣れてないと、5の効果の連鎖を見落としがちなのも難点です

最初[0]のカードは使いようがないかなーと思ったのですが、ある程度相手への足止め効果がありそうな気がします
このあたりはもうちょっと遊んでみないとその有効さが見えてきませんが

アブストラクトは好き嫌いがはっきり分かれるゲームですが、同人ボードゲームの祭典ゲームマーケットなどでもいくつかアブストラクトゲームが見受けられるくらいには、一定の需要があるのでしょう

なんかいろいろ注文をつけましたが、これが木製ボードと木の駒(タイル)だったりするとそれなりに見栄えもあるなー、とも思います

アブストラクトは雰囲気も大事ですからね
恋ヶ窪② 054

それにしても上海のボードゲームの熱気はなかなかホットなようで、そのうちに海外パブリッシャーからリメイクされる作品も登場してくるかも知れませんね


というわけで

Too Many Cooks(余計な料理人/クレイジークッキング)

◇お客様、本日はトウガラシスープなどいかがでしょう
テストプレイ① 016

Too many cooks spoil the brothとは「料理人が多すぎると、スープがだめになる」ということわざで、日本でいえば「船頭多くして船、山へ登る」といったところでしょうか

このゲームでもプレイヤーはそれぞれ料理人となり、本日のスープを作ることにいそしみます
しかし料理人によってスープのメニューが違うばかりか、使用する鍋はひとつしかないのです(どんな厨房でしょうか)

これでもめないわけがありません

はたしてあなたは料理人が多すぎるキッチンで思い通りのスープを作ることができるでしょうか、というテーマのカードゲームです

ちなみにレックス・スタウトのネロ・ウルフ探偵シリーズ「料理長が多すぎる 」の原題も同じToo many cooksです
043501.jpg

とにかく料理人が多すぎるとろくなことがなさそうです

ところで
定期的に出てくる話題で「それはトリックテイキングなのかどうか」問題があります

僕は最初、このゲームを購入する前にいろんなレビュー記事やコメントなどで「トリックテイク」「マストフォロー」という文字を見ていたので、頭からトリックテイキングゲームだと思い込んでいました

このあたりは「アウスライザー」と同じ轍を踏んでるわけですね
ところがいざ、インスト後1ゲームしてみて、どうにもこちらが考えていたものとは違うことに気づいて非常に焦った経験があります

ルール自体はシンプルなのですが、注意しないとうっかりミスが起こるのがこのゲームの特徴です
テストプレイ① 014

カード構成は0~5が2枚づつと10とBoil-Overカードの14枚が3スート(豆、タマネギ、マッシュルーム)
トウガラシのスートは1~5が2枚づつの10枚で、全部で52枚です

プレイヤーはラウンドの最初にメニューカードを1枚決めて一斉にオープンします
このメニューカードは、今回のラウンドで自分が獲得したカードのプラス点になるカードの種類(スート)を宣言するわけです

たとえば「豆メニュー」を宣言したとしたら、獲得した豆スートのカードは1枚1点になります(カードの額面は無視)

ではどうやってカードを獲得するのかというと、プレイヤーは時計回りにテーブル中央に手札を1枚づつ出していきます
このテーブル中央がいわばひとつの大きな鍋、というイメージです
pic110925_md.jpg

そして鍋にカードを入れるごとに、額面の合計値をコールしていき、合計値が10を超えたらそのプレイヤーがそれらのカードを全部獲得します

ある数字以上になったらカードを全部獲得する、というのは「ノイ」や「ぴっぐ10」と同様カウントアップ系と呼ばれます

カウントアップなので、プレイは1順で終わるとは限りません。1順しない場合もあります

このゲームでは自分が最初に宣言したスートだけがポイントになります
そしてだいたいの場合、トウガラシはマイナスカードです

だから最初、鍋の中のカードを取りたいと思っていてもトウガラシを放り込まれ、取ったらマイナスになるという場合は誰もとりたくない、ということになるのです

なるべく自分のポイントカードだけを取りたいんだけど、ときには絶対とりたくないという状況をが1ラウンド中になんども変化するのがこのゲームのオモシロさです

だから「ポイントテイキングゲーム」とは、言えそうです

各プレイヤーは5種類のメニューカードを持っているので、そのラウンドで宣言したメニューがバッティングする場合もあります
バッティングした相手が自分の上家(カミチャ。自分の右隣)だった場合は、手番が回ってくる寸前にポイントカードを全部かっさらわれるという悲惨なことも、まま、あるわけです

どうせ取れないならせめてマイナスカードのトウガラシを放り込んでおきたいところです

しかしこのゲームはマストフォローという鉄のルールが存在します
リードプレイヤー(最初にカードをプレイする人)が最初に鍋に入れたカードと同じスートをフォローする義務があります

最初に豆カードがプレイされて、自分の手番に豆カードがあれば、どんなにトウガラシをプレイしたくても豆カードを出さなくてはなりません

そしてフォローできない場合に限り、どのカードを出してもよくて、もちろんトウガラシを出すこともできます
そしていったん鍋にトウガラシが入ったらそれ以降フォローの義務はなくなります

最初はみんなで豆スープを作ろうと協力していたのに(半ば強制的ですがw)、トウガラシが入ってしまったので豆スープは台無しです。もう協力もなにもあったもんじゃない、ということでなんでもアリになるわけですね

そしてここが一番、ミスしやすいところでもあります
マストフォローだけを考えていれば問題ありませんが、前述したようにメニューがバッティングしてたりするライバルには、どうせ自分が獲得できないならトウガラシで嫌がらせをしたくなるのは料理人のサガです(違うか

ライバルに取らせようとトウガラシを放り込んでニヤニヤしたいところなんですが、ちょっと待ってください
あなたの手札にフォローできるカードはありませんか?
もしあればトウガラシを出してる場合じゃありません。そのカードを出してフォローしてください、ということになるのです

ですから初見プレイヤーがいる場合は、最初はなるべく「おなじ種類のカードがあったら出してください」と促す必要があります
というのも、ここは慣れているプレイヤーですら、けっこううっかりするところなんですね

フォローできなかったら、どの種類のカードを出しても良い。そしていったんトウガラシがプレイされたらフォローの義務はなくなる、ということをしっかり押さえてください

といって誰かがトウガラシを出したからといって必ずしもみんなトウガラシを出さなくてもいいのです(まあ出したくなりますが)

リードで、つまり最初にトウガラシカードが鍋にプレイされたら、そのラウンドはどんなカードを出してもいいことになります

特殊カードについても少し説明しましょう

・まず数字の0カードは、ブイヨンです。合計値が変化しません。鍋のカードを取りたくないときの逃げカードですね
テストプレイ① 012

数字の10カード。だいたいの場合、これを出せば鍋カードが取れます。逆にいえば取りたくない場合はバーストカードになるわけです

ちなみに自分がリードのとき、この10カードを出して、それをそのまま獲得することはルール上できません
テストプレイ① 013

Boil-Overカードは鍋がふきこぼれてやり直しのカードです。つまりそれまでの合計値をチャラにしてまた数え上げていきます。これが鍋に入るとプレイは1順では終わらないでしょう。そしてバーストしたくない場合の逃げカードでもあります

とろこでBoil-Oveにはちょっと問題があります
このカードのインデックスがアルファベットのOなのですが、これが数字の0カード非常にまぎらわしいので注意してください

メニューは5種類あって、トウガラシスープのメニューもあります
これを宣言した場合はトウガラシが得点になります(その代わりブイヨンがマイナスです)
テストプレイ① 010  テストプレイ① 011

そして一番神経を使いそうなのが「スープなし」メニューです
このメニューを宣言した場合、最初にまず5点もらえます

「スープなし」では獲得したカード1枚ごとにマイナス1点となるのでなるべくならカードを取らないようにプレイしたいところです

最初に5点もらっているので、5枚取ってしまったとしても差し引きでチャラです
しかしそれ以上取ってしまえば、取った枚数だけ失点になるので大変なのです

一歩間違えれば大量失点の恐怖です

そしてゲームは5ラウンド行うので、どこかでこの「スープなし」メニューを選ばざるを得ないところがクニツィアのイヤラシイところです

全員が「スープなし」を選んだとしたら、まあ血の雨が降るのは必至でしょう

ゲームの終了は、誰かの手札がなくなって、手番が回ってきたときにプレイする手札がないときに終わります

誰かが手札がなくなった瞬間ではなくて、手番でプレイできないときにゲーム終了です
そしてゲーム終了時に残った手札はポイントには関係ないので、まとめて捨てます

ゲーム終了時の手札は捨てる、というルールがあるので、もし手札に爆弾カード(バーストしそうな10カード)や、「スープなし」なのに、手札に数字の高いカードを持っていたとしても、それらを握りこんでいることで捨てられることもあるのです

ですから誰かの手札がなくなったら手札に危険なカードを持っていたとしても、助かるチャンスがあるわけです

公開したメニューによっては、利害がバッティングしないプレイヤー同士は一時的に同盟者となったりします
そして多少トウガラシが放り込まれても、差し引きゼロで損をしないならあえて引き取ってリード権を得たり、自分が流すと下家(シモチャ。自分の右隣)が得しそうだと思ったら得も損もしないけど自分が堰き止めたり、とラウンド中でもいろんな状況によって対応することで自分が得したり、他人に損させたりできるわけです

2~5人用ですが、必ずメニューカードがバッティングする5人が面白いと思います
っていうか、2人だとどういったプレイになるのでしょうか
同じクニツィアの「エスカレーション」の2人プレイもなかなか面白いという話を聞いたことがあるので、意外とガチの読み合い、腹の探り合いになるのでしょうか

機会があれば少なすぎる料理人でも遊んでみたいものです

ということで
テストプレイ① 015
オラにみんなの得点を分けてくれ!


◇追記:
ところでこれはトリックテイクかどうかという話題で、たまに「魔法にかかったみたい」はどうなのかという話がでてきます

僕の感覚では、あれはトリックを取ってないのでトリックテイクではない、という解釈です
っていうかトリックテイクだと思ったこともありません

確かに時計回りに1枚づつカードをプレイしていきます
まあ、この行為をトリックといえなくもありませんが、結局そのプレイは「自分の意見が通せるかどうか」ということです

同じ意見なら後出しが強い、というだけで、しいていえばプレゼンで声がでかいやつが勝つみたいなもんです(違うか

ではランドルフの「はげたかの餌食」はどうでしょうか

バッティングキャンセルというひとつのシステムを完成させた名作ゲームですが、まさかこれをトリックテイキングゲームだといいはる人はいないと思ってました

でもこれをトリックテイキングだと紹介している人がいます
ゲーム研究家の松田道弘氏です
テストプレイ① 017

この「ベスト・ゲームカタログ」(現代教養文庫)という本の中で
トリックテイキングゲームに新工夫を加えたゲームとして、ドイツのラベンスバーガー社の『はげたかのえじき』があります」とはっきり書いてます
テストプレイ① 018

いやー、「はげたか」はトリックテイキングでしたかーw

まあ93年当時では、あの松田道弘をして『はげたかのえじき』はまだトリックテイキング(その派生デザイン)という認識だったのでしょう

さらに現在、ボード/カードゲームはどんどんいろんなシステム(メカニクス)を取り込んで進化しています
ひとくくりにこれはワーカープレースメント、これはエリアマジョリティと断定できなくなっているんですね

だからといって「ゲームは面白ければシステムなんてどうでもいいじゃん」という意見はちょっと実も蓋もなくて寂しすぎます

なぜならオモシロさの質はたった一つではないからです

といいつつ、中途半端に理解していると(半可通。ま、僕のことですが)遊ぶ前に予断が入ってしまってルールですらしっかり把握できないということもよくあるので良し悪しですね

31

◇スイスイスーダラダッダ
テストプレイ① 009


最近、ipod touchを購入したのでいろいろゲームアプリをダウンロードしているのですがその中にトランプゲームの「31」というのがありました

こちらのPuzzle-App.comさんで知ったのですが、これはシュビメンとも呼ばれているゲームです

標準デッキから2~6を抜きます
いわゆるスカートデッキですね

手札を3枚
手番では、場札の中と1枚交換するか、手札を全部、場札ととっかえるかです

カードの7~10は額面どおりで、絵札は全部10点です
そしてAは11点

場札が気に入らなければ「パス」できます。パスしたからといってゲームから抜けるわけではありません
全員パスしたら、場札を全部捨てて新しく3枚を場札にします

カードを取り替えながら、手札の得点を上げていきます
そしてこれで勝てる、と思えば「ノック(決算)」します

ノックしたプレイヤーの隣からそれぞれもう1手番行ってショーダウン
この中で一番点数の低いプレイヤーはチップを1枚、失います

最初にプレイヤーはチップを3枚づつ持ってます
3枚チップを失い、さらに負けたらゲームから脱落します

このチップが1枚もない状態シュビメン(Schwimmen)といい、ドイツ語で「泳ぐ」という意味です

このゲームの面白いところは、手札3枚を単純に合計するわけではありません
3枚の手札のうち、1つのスートしか得点化できないのです

上記の写真の手札の場合、合計29点ではなく、10と9だけが得点化されます
だからなるべく3枚とも同じスートになるようにメイクしていかなければなりません

そうすると最高点は同じスートの絵札(もしくは10)2枚とAの31点です
英語圏で「31」と呼ばれているのはこのためです

そして手札が31の組み合わせになったらゲームの途中で即座に決算になります。ノックは必要ありません

実は同じランクの3枚(スリーカード)は、当然スートがばらばらなんですがこれは役なので得点となります
スリーカードの場合は、どんなランクでも30.5点です

0.5点ってなんだ、ということですが、31点と30点の間の位置づけです
同スートの10点札(10+絵札)3枚は30点ですが、7のスリーカードの方が強いわけです

そしてAのスリーカードは特別に33点です。これがこのゲームでは最強です
(AAAはファイア(Feuer)という役で、やはり即ラウンド終了です)

スリーカードができれば、まあ負けることはないでしょうがもし完成しなかったら低得点になるリスクがあります

上記の写真でいえば、10のスリーカードを狙うよりは素直にクラブの絵札あたりを持ってきて29点で勝負したほうがいいでしょう
このゲームは勝つ必要はありません。負けなければいいのですから

カードは全部配りきるわけではなく、最初に配られた手札と場札をみんなでぐるぐる回しているにすぎません
だからそこに同じランクが3枚以上入ってないといくら待ってもスリーカードは完成しないのです

いつノックするのか、その判断が勝負を決めます
誰かが沈めばいいので、まだみんなのポイントが低いときにノックするのも作戦のひとつです

まあそれで負けたとしたらカード運がなかったのでしょうw


ところで調べてみて解ったのですが、31やシュビメンとして流布しているルールと、アプリのルールは少し違うようです

そもそも31は52枚の標準デッキを使いますし、手札の全とっかえはシュビメンでもやらないようです

トランプゲームは時代とともに細かくルールが変更される場合があります
例えば「大富豪(大貧民)」などは、僕が学生の頃に遊んでいたものとはずいぶん様変わりしているのでビックリします。昔は8切りなんてルールはありませんでした

しかし、31やシュビメンのルールを調べているときに、どうもどこかで見たような覚えがありました
それは「SWIM」というAMIGOの古いカードゲームです
pic202306_t.jpg


僕はこのゲーム自体は遊んだことはないのですが、あるときマイミクさんの日記で知りました。そのときマイミクさんにだいたいのルールをメールで聞いていたのですが、ルールはほぼ「31」と同じです(メビウス訳がネットにあります)

「SWIM」のカード構成は
7、7、8、8、9,9、10、10、10、10、11 ×4色=44枚です
10のカードが4枚あるのは、31(シュビメン)の10+絵札と同じことですね

7,8,9が1スート2枚づつあるので、スリーカードは作りやすいでしょう
(同じように30.5点)
ただし31点役はなくなってます

ノック(スイムではSOS)するか、Aのスリーカードになったときにラウンドは終了します
そして手札全とっかえは「SWIM」のルールだったんですね

そしてまたふと思い当たることがありました
アプリの「31」でライフ用のチップはなぜかマッチ棒です
テストプレイ① 115

18ポイントで負けたプレイヤーがマッチ棒を払ってるところです
マッチ棒3本がなくなったらシュビメン(泳ぐ)状態となり、さらに負けると脱落(沈没)します


トランプならチップでよさそうなのにマッチ棒なのは、そういう風習を忠実にアプリで画像にしたのかと思ってたのですが、実は「SWIM」でのライフは木材らしいんですね

実物を見たことがないので確かなことは解りませんが、恐らく丸太風の木材スティックをライフチップに使ってたのではないでしょうか(もしくは木材イラストのカード)
とすると、「31」でマッチ棒なのはSWIMの木材を継承しているような気がします

そしてそもそもシュビメン=泳ぐ=SWIMなので、トランプゲームに少しアレンジを加えて商品化したものが「SWIM」と考えて間違いないでしょう

そして昔からある31(シュビメン)をアプリ化するときに、なぜか「SWIM」の手札全とっかえルールを付加したのでしょう

ただし、アプリのゲームには権利関係からか、本家のゲームをそのまま移植しておらず、ちょっと名前やルールをいじったものが多くみられます(ドミニオン風やアクワイヤ風のいわゆるなんちゃって系です)

しかし、最近ではトランプゲームの31(シュビメン)が手札全とっかえルールで遊ばれている可能性も否定できないのであくまで予想でしかないのですが


「SWIM」は今のところ絶版で、入手は困難な状態です
しかし今ならトランプを使って「なんちゃってスイム」として遊ぶことができますね


ところで昔、ボードゲームキングダム誌にクニツィアの「ゼロ」というカードゲームが付録でついてました
こちらは手札の得点のセットの作り方がまったく違うので、かなり違うゲームの印象ですがプレイヤーの手札と場札だけがプレイヤー間をグルグル回る流れはシュビメンと通じてます
pic296197_md.jpg


クニツィア博士がシュビメンを意識していたかどうかはわかりませんけれども

そしてクニツィアの多くのゲームがアプリに入ってます
この「ゼロ」もアプリにしてくれたらいいのですが

ということで

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プロフィール

流星キック1998

Author:流星キック1998
チャンスがあればいつでもボードゲームがしたい!誰か遊んでプリーズ

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