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ムガル

◇ムガれずに死ねるか!
ソロ② 193

2012年GM戦利品シリーズ、第・・・なん弾、かです

映画や小説には古典的名作と呼ばれる作品郡があって、意外と観た事がない(未読)ということが話題になることがあります
ボードゲームの世界でも、同じように「評判だけは聞いてるけど遊んでない名作」はいくつもあります

ただし映画や小説と決定的に違うのはボードゲーム(カードゲーム)の場合、絶版などの理由で簡単に遊べない事情があります

シャハトの『ムガル』もそんな”遊びたくても遊べない”ゲームの1つでした(再販するという話は昔からありますが)

ルールはびっくりするほど簡単です
株ゲーなので、いかにして安く株を買って高く売るか、これだけです


株券は黄色ピンク茶色の5色あります

最初に茶色の株券を1枚と$6を受け取ります
スタPが山札から1枚めくってラウンドはスタートします
その株券の競りを行っていくわけです

もうちょっと正確に言えば”権利の競り”ですが

まず
競りに参加する人は$1を支払います
どうしてもその権利が欲しいと思っても、手番で支払うのは$1だけです

$1払いたくない、払えない人はそれまでの競りのお金を全額貰って!競りから抜けます

そして残った人から、また$1から競りを始めていきます
ソロ② 118
*最初に山からカードがめくられる。このとき同じ色の株札をもっていれば配当が入るが、今回は黄色の株だったので誰も配当にはありつけない
競りは$1を支払うことで参加の意思を表明する


この競りの方法が『ゲシュンク』だと言われているのですが、『ゲシュンク』が失点(負債)受け取りたくないためにリベート(賄賂)を支払うようなものに比べて『ムガル』では権利を勝ち取るための投資です

そのモチベーションの方向はま逆です
gehsu.jpg
*たしかにチップも同じ

この競りの方法は、シンプルだけどシビれるほどのジレンマを生みます
競りに残った人は、また持ち金を吐き出さなくてはなりません

『ムガル』では、株券を売ると勝利点にはなりますが、現金収入はありません
山札をめくったときに同じ色の株券を持っていると配当が入るのですが、この配当も勝利点です
つまりお金が手元に来るのは、競りに降りたときだけなのです(他には借金もありますが)

だから資金が心もとなくなってくると最初から今回の競りは降りるつもりでいても、自分の上家(直前のプレイヤー)に先に降りられるとポットの全額をかっさらわれてしまい、また競りに参加するためになけなしの$1を払わなくてはならないのです

もし自分の手番のときにポットに入札金が$1もなければなにも得られずに競りを降りなければなりません
これが一番最悪の事態です

ところが
最初はがんばるつもりでも、入札金がそこそこ貯まってくると心が揺らぎます
人間は目の前の現金には弱いのですw
ソロ② 122
*やっぱやーめた
競りから降りると、ポットの全額をもらえる
お金は隠しているので、誰がどのくらいがんばれるのかわからない(カウンティングしていれば別ですが)
または、その株券が自分にとってはそれほどがんばらなくてもいい場合もあって、そういう場合でもなるべくお金が貯まってから抜けたい

こうして最後の人に残ったら、権利を獲得します
権利というのは、その株券を
・そのまま受け取る、か
・自分の株券を売る、か
のどちらかを選びます

株券には背景色と枠の色の、2色の情報が含まれてます
背景色はそのまま株券そのものを表してますが、枠の色は株券を売るときだけの情報です

競りに出されていた株券の枠の色の株券を持っていれば売れる(勝利点)のです
このとき、全員が持っているその色の株券の枚数が単価になります

例えば
枠の色が□青色で、場に3枚の青の株券があるとすると、青の株券1枚は3勝利点になります

青の株券を2枚持っていれば6勝利点になるわけです

このゲームでは、株券を売るのはこのタイミングでしかありません
いくら単価の高い株券を持っていたとしても、競りに残らなければ勝利点にできないのです

そして売られた株券は場から除外されますから、うかうかしていると自分の持ち株の価値がガクーンと目減りしてしまいます

なるべく高く売りたいので、みんな株券が場に増えるのを待つわけです
めくる、まだ売れない
めくる、枠の色が違う

めくる、キターーーー!

しかし最高値で売りぬけできるのは1人だけです
今度は競りでのモーレツな我慢比べが展開されるわけです!


我慢があるから、高値で売り抜けたときの開放感がハンパありません
桂枝雀の言う笑いの構造、”緊張と緩和”、もしくは映画の脚本の基本”抑圧と開放”がこのゲームにはギュッと凝縮されてるのです

これで面白くないわけがない
ソロ② 124
*このラウンドではピンクの株券が売れる!
なんと3人が2枚づつ持っている
つまりピンク1枚あたり、6勝利点なので、誰が売っても12勝利点になる熱い戦い
黄色プレイヤーと赤プレイヤーがトップを争っていて、緑プレイヤーが出遅れている
トップ2人はここで競り勝てれば後続を突き放せるし、緑プレイヤーはトップに立てるチャンス
こりゃあ$4じゃ済まないでしょう


しかもさらにジレンマを仕込んであります
競りに勝ったプレイヤーは、上記の2択のうち一つを選びますが、選ばれなかった権利はなんと2位のプレイヤーが享受します!

株券が欲しかったからトップになったのに、2位がうまうまと売り抜けるかも知れません
もしくはこちらが売り抜けたら、2位にうまうまと株券を譲渡することになります

この、2位までが権利を獲得するというのがこのゲームのミソです
なんですか、このゲームは!
ジレンマてんこ盛りじゃないですか!

2位のプレイヤーにちょうど売る株券がない場合は、トップは楽です
株券取得の1択で決まりです(2位はなにもできない)

しかしもし2位プレイヤーに大量得点のチャンスがあるなら、自分には売る株券がないとしても株のカラ売りを実行するという”お仕事”をしなければならない場合もあります

まあそういうときはうまいタイミングでさっさと降りるのが吉、ですが、うっかり取り残されてしまうとお仕事が待っている場合もある、というw

やってることはまったく同じでも、プレイヤーの状況によって様々なドラマが生まれるのです

なんですか、このゲームは!
ドラマてんこ盛りじゃないですか!
ソロ② 195


ラウンドの最初に山札がめくられたときに、同じ株券を持っていると自動的に配当が入ります
1枚なら1勝利点、同じ株券を2枚持っていると2勝利点です

配当は微々たるものですが、なにもないよりはあったほうがいい
そしてそれぞれの株券の枚数は解っているので(カードに存在枚数が書かれている)、あとどれくらい配当が得られるかも見当がつきます

なるべく配当のウマミも味わってから、高値で売り抜ければ最高なのですが


山札から暴落カードが登場したら、即座にゲーム終了です

山札から4枚を抜いて、そこに暴落カードを混ぜてシャフルして山札の底に仕込んであります
終盤になるとあとどのくらいでゲームが終わるのかを予測しながらいつ勝負をかけるのか、タイミングを見計らうわけです

ゲームが終わってしまったら、持ち株は紙屑です
ですから終わるまでに綺麗に売りさばいておきたいところですが、そううまうまとやらせてくれるでしょうか
ソロ② 130
*暴落カードがでたので、即、ゲーム終了
持ち金$5で1勝利点になる

シャハトは3人ゲームの名手と言われてますが、このゲームはgeekでは3~5人がベストになってます

3人プレイだと、1人が降りた瞬間に残った2人は権利の恩恵を受けられるので場合によっては三方一両得になる場合もありますが
4人の場合だと(タイミングにもよりますが)真っ先に降りることでお金を得て、残った3人のうち、1人は権利の恩恵を受けられずに一番ワリをくうリスクがあります

5人プレイだと、どうなるのでしょうか
資金にも限りがあるので、自分がスタPのときにいきなりパスを選ばざるを得ない場合が多くなりそうです



yoma.jpg

かつて『読まずに死ねるか!』(内藤陳著)というブックガイドが若い読書好きの間で熱狂的に読まれた時期がありましたが、もしそのボードゲーム版『遊ばずに死ねるか!』があるとすると、まず間違いなく「ムガル」は紹介されることでしょう

ムガルは傑作だど(内藤陳風)

というわけで


k2812572_20121207031505.jpg

「ムガル」の株券には数字が記されてます
これはその色の株券が何枚存在するのかを表しています

黄色、緑は5枚づつ、青は6枚、ピンクは7枚。茶色は8枚あります
ただし茶色は最初にプレイヤーに1枚づつ配られますし、最大4枚は使われずにゲームが終わる可能性もあります

しかしこのゲームで重要なのは、株券を売ることです
そこで枠の色の分配を調べてみました

*(枚数/その色の枠の枚数)
黄色(5/6)青2 緑 ピンク 茶
緑(5/6)青 黄色 ピンク2 茶
青(6/7)黄色 緑2 ピンク2 茶
ピンク(7/7)青2 緑 黄色2 茶2
茶(8/5)黄色2 緑2 ピンク2 青2


◇売り
黄色6
緑6
青7
ピンク7
茶5

ソロ② 196


このあたりのデータを元に緻密にやるか、勢いでプレイするかはあなた次第です

ついでに自分用にサマリーを作りました
欲しい方はご利用ください

マイス

◇すすめ!ネズミの勇者さん
プチ盤 001

飛び出す絵本風のコンポーネントで、コンポ好きのハートをがっちりキャッチしたすごろくやオリジナルゲームです

どういうゲームなのかというと、悪いドラゴンに囚われて、ドレスをびりびりに破かれてブラとパンツ一枚になったプリンセスの貞操の危機を、勇敢なネズっちたちがわれ先に助けにいけーーーー、というゲームです(半分、オトナの妄想が入ってますが)

ようはすごろくです

しかしダイスは使いません
プレイヤーたちは手札を持っています

これらのカードは0~3までの移動力が書かれています
しかし、この手札をプレイして進むわけでもありません

じゃあ、どうするか
プチ盤 004
*移動力カードは0~3まである
ドクロはバーストカード

プレイヤーは手番がきたら、他プレイヤーの手札からババ抜きの要領でランダムに1枚ドローしてプレイします
そしてそのカードの意動力を使って自分のネズっち駒を進めるのです
(すすめ!海賊さん方式です)

しかもドローする枚数は何枚でもいい、というのがミソ
同じプレイヤーからでも、別のプレイヤーからでも、いくらでも(可能なかぎり)ドローしてもかまいません



もし、ドクロマークのカードをドローしてしまうと移動できずに手番終了です

このバーストルールがあるために、1枚でやめるのか、何枚までドローするのか、ある意味勇者たちの勇気試しという、テーマにぴったりのシステムになっているのには感心させられました

その後、ドローしたカード(バーストしようとしまいと)はどうするかというと、手番プレイヤーがひとまず引き取ります
そして、左隣のプレイヤー(次の手番)をのぞいて、他のプレイヤーに自由に分配します

この分配はまったくの自由です
誰にどのカードを何枚渡すかも自由ですし、全部自分の手札にしてしまってもかまいません

プレイするカード(枚数と構成)は、プレイ人数によって枚数が決まってます。バーストカード(ドクロ)も何枚あるのか、最初から判っているのです

ですからこの分配方法によって、ドクロの居場所をある程度把握できるという寸法です

そうです
これは見た目はキッチュでポップなキッズゲームに見えますが、カウンティングと記憶が頼りのガチゲーでもあるのです
プチ盤 011
*ドクロを引いてしまったので、それまで獲得した移動力(2)はチャラ
しかし移動力(2)で手番を止めるわけにはいかない事情もあるのよ


ネズっち駒の進み方も、ただのすごろくではありません
マスにはドットが記されてますが、これはいわば移動力コストです

〔・〕なら、移動力1で入れますが〔・・〕なら、移動力2分のカードをプレイしないと進むことができません

ですからスタート地点から〔・〕〔・・〕とマスが並んでいた場合、2つめのマスまで進むには移動力が3以上ないと進めないのです(もし移動力2でドローを止めたら、1マスめまでしか進めない)
<ルールミス>
〔・〕〔・・〕と並んでいた場合、移動力2でも進めるそうです
ですから、コストというよりは現在のマスから移動力分のドットを数えて進めばいいようです
これでかなり前に進みやすくやりますね

さらに、1つのマスには駒は1個しか入れません
もし進むマスに他の駒がいた場合は、そのマスを飛び越すことができます
レースゲーム(すごろく)の出遅れは、そのままゲームの優劣になりがちですが、この飛び越しルールがあるのでスタートが遅れたとしても、上手にプレイすることで先頭集団に追いつくことは不可能ではないんですね
プチ盤 009
*緑のコマは移動力2あれば次のマスに進める。さらに黒コマを跳び越すにはさらに移動力2が必要。
だから移動力2でやめるか、4まで移動力を延ばすか・・・バーストも怖い
黒コマは、移動力3あれば、先頭の黄色コマを跳び越してその先のマスまで進める


どこまでカードをドローするか、どのマスに止まっていれば自分は有利なのか、適切な判断をしましょう
あまり集団でかたまってしまうと、後ろから進んでくる駒にイッキに飛び越えられてしまいますから

こうして、ネズっちたちがダンゴレースをしながらドラゴンへ向かっていきますが、ただ真っ先にゴールすればいい、というものではありません



勇者ネズミたちは、最後にドラゴンを倒すことができる伝説のアイテムを持っている必要があります

カードには〔伝説の〕と書かれたプレイカードが何枚かあります(移動力2と3)


ドラゴンのマスまでたどり着けそうになったら、まず移動力をドローする前に自分の手札からその〔伝説のアイテム〕をプレイします
そしてその後に、移動力のためのドローを行います

ですからせっかく〔伝説のアイテム〕をプレイしても、移動力ドローでドクロを引いてバーストしてしまうこともあるのです

逆に〔伝説のアイテム〕を持っていないがために、目の前のドラゴンを退治できない、ということもあります
ゴールに近づくにつれ〔伝説の〕カードを所持していなければならない、という手札管理にも気を配らなくてはならないんですね
プチ盤 005
*カードテキストに〔伝説の・・・〕と書かれたカードがある
これを持っていないとドラゴンを倒せない





日本でボードゲームといえば、いまだに『人生ゲーム』だったりします
そして国産のボードゲームは、だいたいがスゴロクのバリエーションです

その理由は、誰にでも簡単に遊べるという利点があるからですが、実際は作り手(メーカー)がサイコロを振って駒を進めてゴールする方式のスゴロクしか知らないからではないでしょうか
人生ゲーム
*毎年、バージョン違いが販売されてる。そういう意味でいえば「モノポリー」もそうだけど、いろんなバージョンが作りやすいということでもありますね
しかし人生ばかりがゲームじゃない


戦前のマンガしか知らない人間にマンガを描かせたら、『のらくろ』のような書き割り式ユーモア漫画か、4コマ漫画にしかならないでしょう
なぜなら、漫画のフォーマットをそれしか知らないのですから

しかし僕らは手塚治虫以降の、表現方式がはるかに発展した現代マンガを知ってます
紙とインクとペンなど、使う画材は当時の『のらくろ』と同じでも、我々は今ではまったく違う現代的なマンガを描くことができます

同じスゴロクゲームなのに、大手メーカーがいまだに戦前のマンガをトレースするしか方法を知らない(ようにしか見えない)のに比べ、小さなゲーム店が現代的なスゴロクゲームを発売したことには大きな意味があります

アリの一穴ならぬ、日本のボードゲーム業界のネズミの一穴になって欲しいところではありますが・・・


とはいえ
不満がなくもありません

たとえば、飛び出す絵本風のボードは見た目で人を惹きつけるものはありますが、実は立体である必要がありません
3次元の仕掛けがゲームにまったく関与してないので、通常の2次元のボードでもいいのです
プチ盤 014
*飛び出す絵本風のボードゲームは見た目が楽しい
けど、あの火山もドラゴン駒も、ゲーム上それほど重要ではない

しかも、今回遊んだときはプリンセス駒を乗せておくステップが半分、壊れかけてました
どうせなら、厚紙でもっとしっかりとした作りであって欲しかったところです

そしてカードを移動力としてしか使わないのがもったいない
〔伝説のアイテム〕としても使えるカードは何枚かありますが、せっかくなら他のカード(例えばハズレの移動力0カード)も冒険物語的なアイテムとしても使えるようにするといいなー、とか

さらに
ドラゴンとプリンセスの駒は完全にお飾りなので、例えばクニツィアの「指輪物語ボードゲーム」のサウロンの脅威のように、ゲーム中にドラゴンがプリンセスの方に近づいていくという仕掛けがあるとハラハラするかなー、とか


思うところはいろいろありますが、当然デザイナーはそれらを踏まえたうえで、そぎ落として今の形に落とし込んだのでしょう(コストの問題もありますし)

捨てたアイデアはそのうちに拡張版として発売されるかも知れませんね

しかしこれはできればシリーズ化して、次はみんなでドラゴンを倒してプリンセスを助ける協力ゲームにするというのはどうでしょうか

勝手にゆうとりますが
ということで

ミューラ

◇来たれ!ミューラ協会!
恋ヶ窪② 198

ゲームを説明するのはちょっと気遣います

最初からゲーム慣れしていない人がいれば、その人向けに専門用語(ターム)をなるべく使わずに説明しようと心がけますが、いつもの慣れたメンバーの場合、つい言い慣れた用語で説明してしまい、認識がズレるということもなくもありません

だからこのゲームをうかつにトリックテイキングと説明すると、正確に伝わらないような気がします
しいていえばトリックウィニングゲームでしょうか

リードに対して1順で処理するので、少なくともトリックゲームであることは間違いありません

カード構成ですが、金、銀、◆黒、緑と4スート(色)あります
ただしランクは、金は5のみで3枚。銀は1~4各3枚づつで、黒と緑は1~4が各5枚づつあります

これで合計55枚あります

そしてスートには強弱があります
金>銀>黒>緑ですが、ゲームの最初に1枚カードをオープンしてそれが切り札となります

カードは3人で配りきりなので、一人手札18枚です
リードプレイヤーが出したカード構成に合わせて他のプレイヤーもカードをプレイするのですが、このゲームの場合フォローするのはスートでありません

カードの出し方は以下の6種類で下の方ほど強い役です
・シングル (1枚出し)
・ペア   (2枚出し)
・3カード (3枚出し)
・4カード (4枚出し)
・フルハウス(5枚出し)
・5カード

リードプレイヤーが出した枚数と同じ枚数をプレイしなければなりません

ところでこのゲームでは
ペアや3カードなど、同じ数字のカードのセットは同時に同じスートでなければなりません(このあたりがポーカーと違うところ)

だからスートが混在するのは5枚出しのフルハウス(3カード+ペア)だけです

まず
リードプレイヤーが何枚出しをするのかを宣言してカードを伏せて出します
「3枚」と言って、カード3枚を自分の前に伏せて出すわけです

他のプレイヤーもそれに合わせて必ずカードを3枚伏せてだします(まだオープンしません)
全員がカードを出し終わったらリードプレイヤーが自分の伏せたカードをオープンします
恋ヶ窪② 187
*リード(親)が2枚と言ったら2枚マストフォロー

そして時計回りに
自分のカード役がリードプレイヤーより勝っていたらオープンします
負けていたら伏せたままディスカードします
(勝てないと解かっていても、同じ枚数のカードを手札から強制的にディスカードさせられる感覚はちょっと天九牌にも似てます)

このとき
リードプレイヤーは複数枚で出すときは必ず役になるようなセットでなければなりませんが、それ以外のプレイヤーはまったくバラバラのカードをセットにしてかまいません

手札を温存したいときや、どうしたってそんな組み合わせは作れない場合はクズセットにするしかありません

トリック(勝負)に勝ったプレイヤーは自分の出したカードを引き取って得点の対象にして次のリードプレイヤーとなります
プレイされたカードをまとめて獲得するのではなくて、自分が出したカード(枚数)が得点になるのも天九牌と同じです
恋ヶ窪② 199
*5枚出しは得点獲得のチャンス!だけど、勝ちにいって取れないとショックでかいっす

手札がなくなったらラウンド終了で、得点計算をします
この得点方法がなかなかユニークです

まず獲得したカードが何枚か数えます
6枚獲得していれば0点です

カードは1枚10点ですが、この6枚を挟んで枚数ごとに10点プラスマイナスされていきます
5枚しかなければ-10点で、8枚獲得していれば+20点です

3人が獲得する枚数は、全体で必ず18枚になります
すると3人の得点がプラスマイナス0になるようになってるのです

しかし
1枚もカードを取れなかったプレイヤーは本来なら-60点ですが、罰則としてさらに60失点が加算され-120点になります


罰則が出た場合
プラス得点者が1人だけの場合は、60点がプラスされます
プラス得点が2人いた場合は、それぞれ得点が2倍になります

例えばA君1人が沈んで(0枚:-120点)、B君が5枚で-10点、Cちゃんが13枚で+70得点だった場合、Cちゃんはさらにボーナス60点加算で+130点です
これで3人の合計点がプラスマイナス0になります

A君が18枚取って一人勝ちした場合は、他の2人はそれぞれ-120失点です
プラス得点が1人しかいないので、ボーナス点は60点のみでA君の得点は240得点になります


6枚以上から得点になる、というところがプレイを積極的にさせます
1枚も取れない場合の失点がデカいのも恐怖です

僕は
ゲームはスコアリングで決まる、と思っているのですが「ミューラ」はこのスコアリングシステムのおかげで、軽いプレイ感ながらもかなりスリリングなゲームに仕上がっていると思います

麻雀も失点スタート(27000点持ちの3満点返し)ですが、麻雀の場合は一発の破壊力でいつでもどこかで得点を稼ぐチャンスがありますが、このゲームの場合はそれがありません

5枚出しが続けば、最短で4トリックでラウンドが終わってしまいます

弱いスートの黒と緑は同じランクが5枚づつあり、最強役の5カードを作れるのはこの2スートだけです
弱くても数がそろえば勝てるところは大貧民ライクです

ただしいくら強い役を持っていても、出せなくては宝の持ち腐れです
5カードやフルハウスを出すために、いかにしてリード権を取りに行くかのタイミングが重要なのです

とはいえ
カードの運要素はかなり強いので、手札によってはどうしようもないときはどうしようもないですが、1ラウンドは短いので今がダメなら未来に期待しましょう

1人3回ディーラーを勤めたらゲーム終了です(9ラウンド)
恋ヶ窪② 201
*フルハウスは3カードのセットだけを比べる。黒は緑より上位なので、オープンして勝利を得る


と、ここまでレポートしてきましたが、実は僕は先日ほとんどルール間違いしたまま遊んでました

*ルール間違い その1
スートには強弱があると説明しましたが、僕はそれは同じランクで同点だった場合のタイブレークのときに使うのかと思ってたのです

黒4のペアと銀4のペアのときは銀4ペアが勝つ、と
この例ではルール上正しいのですが、僕はランク勝負が優先されると思ってたので銀2に対して黒4で勝てると思ってたのです

ルールをよく確認すると、どうもスートの強弱は絶対順位のようです
つまり黒4は上位スートの銀や金のどのカードにも負けるのです

ただし毎ラウンド最強スートの金の上にスーパー最強カードが存在します
ルールブックではこれを「スーパーカード」と呼んでますがさらに「切り札」とも説明してあったので、また混乱しました
恋ヶ窪② 192
*1枚だけ見えてるのがスーパーカード表示カード。今回は緑の3が最強
しかし手札に緑の3はない。そして緑スートを左に寄せてるのは、緑全部が切り札スートだと勘違いしてたため
この手札、最強じゃん!と思っていたあの頃・・・

*ルール間違い その2
カードを配る前に1枚オープンして、そのラウンドではその表示カードと同じカードが最強のスーパーカードになります

僕はこれを「その表示カードのスートが切り札スートになる」と勘違いしたのです

だから表示カードが黒のカードだった場合は、スートの強弱は
黒>金>銀>緑
になると思ったのですね

たいていのトランプを使ったトリックテイキングではこういう場合スートごと順位が入れ替わるので、勘違いしました

しかし正しいルールでは表示札と同じカードが単独で最強位になります
例えば黒2がオープンされたら、そのラウンドでは

黒2>金>銀>黒の他のカード>緑

という順位になるのです


これらのルール間違いは僕が、4スートあるからトランプと同じようなものだろうと思い込んだことが原因でした

トランプのカードの強さの順位はお馴染みのところでいえばAKQJ10~2であり、これが4セットあるわけです
しかし
ミューラの場合は、厳密に55枚のカードに順位があるのです

自分なりに納得できるように説明しようとすればミューラのスートは数字の桁だと考えましょう

金:1000の桁
銀:100の桁
黒:10の桁
緑:1の桁


これなら、黒4と銀1では、14(黒4)と101(銀1)です。どちらが強いか一目瞭然です

スーパーカードは一時的にそのカードに万の桁を授けたと考えればいいのです
黒2がスーパーカードなら、黒2は10002です

桁だとなんだか強さの比較が大げさなので

金:40の位
銀:30の位
黒:20の位
緑:10の位


ということでもOKです(スーパーカードは50の位になる)
もちろん最初からすんなりルールを把握した人には、まったく関係のない考察ですね


ここまで考察してきて気づいたのですが、これらは金や銀、黒曜石、緑石(?)などの鉱石の価値と考えても成立します
つまり鉱石を使った競りゲーム、といえなくもありません

じゃあ、宝石かアクセサリーにしましょうか
金塊>シルバーリング>黒真珠>エメラルド

エメラルドは安いけど、数がそろえば取引レートは高くなる、とか、どのくらい売買が成立したかによってディーラー(プレイヤー)への手数料、儲けがが変わってくる、とか

おっ、それほど無理なくリメイクできそうな感じですね

残念ながらこのお手軽3人用カードゲームは絶版らしいのですが、テーマを宝石を使った競りゲームとしてどこかがリメイクすることを期待しましょう
恋ヶ窪② 270
*得点用紙もついてます

ところで
ルールブックの後ろには「クラブオーナーを募ります ミューラ協会」という募集テキストと、協会の住所が書かれてます
趣意書を送ってくれるそうですが、いまでも活動してるのでしょうかミューラ協会

趣意書を送ってもらうには「要〒60」とありますが、これは60円切手同封という意味でしょうか
まさか郵便番号が60の住所の人でなければ協会に入れない、ということでしょうか
恋ヶ窪② 268 恋ヶ窪② 269
*募集中ですよ。いや募集中でしょうか


うーむ、送ってみようかどうしようか・・・・
もし入会できれば、リメイク権を譲ってもらえる・・・ってことはないでしょうかw

ということで

ミステリーラミー ジャック・ザ・リッパー

◇切り裂きジャックはあなたの友
じゃっくざ

19世紀、ヴィクトリア朝ロンドンで売春婦が次々と殺害され、世界中が震撼しました
それが「切り裂きジャック事件」です

1888年8月31日から約2ヶ月間に売春婦が次々と惨殺される事件が発生しましたが、1世紀以上経った現在にいたるまで犯人の正体は不明のまま・・・

これは、その切り裂きジャック事件をテーマにしたラミーゲームです
恋ヶ窪② 110


トランプゲームではトリックテイキングと並んでポピュラーなラミーですが、カードを3つ以上を揃えて手札をいち早くなくす、というのがその特徴です

同じ種類のカードを3枚(以上)揃えて場に出すことをメルドといいますが麻雀に馴染みのある日本人には刻子(コーツ)をさらすといえば解かるでしょうか
しかし最近は麻雀を知らない子供たちが増えているので、そのまま世界で通じるメルドという用語で説明します

では
切り裂きジャックという実際の事件をどういう風にゲームに落とし込んでいるのでしょうか

実際の切り裂きジャック事件では、犯人が特定されてません
つまり未解決事件なのです

ゲームでは【容疑者】のカードが6枚ありますが、この中の誰かが犯人かも知れないし、この中にジャックはいないかも知れません
恋ヶ窪② 203
*箱の内側に6人の容疑者の手配写真がある。この中にジャックが・・・

まず
ゲームの目的は、なるべくたくさんのカードを自分の場に出してポイントを稼ぐことです

手札を10枚づつ(今回は3人プレイだったので手札は9枚づつ)配り、山札から1枚捨て場に置きます
プレイの流れは通常のラミーと同じで、ドローしてプレイしたら、手札から1枚捨てて手番終了です

ドローとディスカード(捨て札)は必須です

そしてドローは山札、もしくは捨て場の一番上のカードを取ってくることができます
プレイとは、手札から3枚以上のセット=メルドや、他人のメルドにつけ札(レイオフ)することです

トランプのラミーや麻雀でもそうですが、数字のあるカードの場合は同種で連続数字、いわゆるシークエンスとかラン、麻雀でいえば順子(シュンツ)というセットがありますがこのゲームのカードには数字はないので、そろえるのは同じ色だけです

大雑把にいうと、【容疑者】カードが6枚、【犠牲者】カードが5枚あるので9色あるわけです(他に特殊カードがある)

カードは大きく2つのカテゴリーに分けられます
虫眼鏡アイコンのある〔証拠〕カードと、裁判で使うハンマーアイコンのある〔裁判〕カードです
恋ヶ窪② 108
*とりあえず手札を虫眼鏡とハンマーに分けておこう。6色着いている虫眼鏡カードはワイルドなので、どの色の証拠に対しても足して使うことができる


【容疑者】や【犠牲者】などの裁判カテゴリーのカードは1枚(1種類)づつしかありません
証拠カテゴリーの【証拠】カードは、それぞれ【容疑者】に対応していて4枚づつあります
だからこのゲームでメルドを作る、というのは同じ色の【証拠】カードを3枚以上集めることなのです

ラミーキューブでは、手札から合計30点以上のセットを出さないとゲームを始められません
僕が最初、このゲームの日本語ルールを読んでいてひどく飲み込み難かったのは、こちらもカードをプレイするのにある程度の制限があったからです

3枚セットでなくても裁判カテゴリーのカードは基本的に1枚で出します
しかし、ゲームが始まっていきなり【容疑者】カードを出すことはできません

そしていきなり【証拠】カードのメルドをプレイすることもできません

なぜなら
まだ事件は発生していないからです
つまり【犠牲者】が場に出て、初めてゲームが動き出すのです

ラミーキューブでは、熟練者はいつでもスタートできるのにギリギリまで手札を溜め込むやり方を好む人もいます

しかしこのゲームでは必ず1枚ディスカードしないといけないので、溜め込み戦術はできませんが、やはりある程度カードを揃えていつでもメルドできるようにはしておきたいところです

ということが解かっていると真っ先に【犠牲者】を出すのも、なんだかお仕事させられているような気分でもあります
その辺りはデザイナーも心得ており【犠牲者】カードを場に出すと山から2枚ドローする、という特殊能力を付けてます
恋ヶ窪② 208
*5人の犠牲者の方々

そして
いったん誰かが【犠牲者】をプレイしたら、ようやく【証拠】カードのメルドが(誰でも)出せます
そして【証拠】のメルドが場に出ていれば、同じ色の【容疑者】カードをプレイできるのです

【証拠】と【容疑者】は同じプレイヤーが出す必要はありません
ついでにいえば他人のメルドと同じ色の【証拠】カードをつけ札するときも自分の前に配置します。他人のメルドに付ける必要はありません

なぜなら自分の場に出した【容疑者】【犠牲者】〔証拠〕メルド(やレイオフ)は最終的にそのプレイヤーの得点になるからです

【証拠】は【容疑者】に対応していますが【現場】カードは【犠牲者】に対応しています

ですから【現場】カードは、同じ色の【犠牲者】を出しているプレイヤーの場に移動します
たかだか1点ですが、それでも他人にポイントを渡すのはいまいましいところなのでどうせなら捨ててしまえ、となるところですが、デザイナーもそんな心理は心得たもの
*ルール間違いがありました。動くのは同色の【犠牲者】カードのほうです

【場所】カードには”捨て山から好きなカードを1枚ドローできる”という、素敵な特殊能力があるのです
恋ヶ窪② 209
*現場は犠牲者に対応しているので、自分がプレイしても同じ色の犠牲者が他のプレイヤーの場に出ていたらプレゼントしなければならない。その1点が勝負を決めるかも・・・・

カードを揃えるゲームで、捨て山から選んで拾ってこれるのは非常にありがたい
というわけで1点失うよりは、この能力のおかげでかなり使い勝手のいいカードです

こうして整理していくと、最初ひどく解かり難かったルールもすっきりしてきます

まず【犠牲者】が出ないと事件は起きない
【証拠】が揃わないと【容疑者】は特定できない

【現場】は犯行現場なのでそこに【犠牲者】がいるのは当然で
【容疑者】に【アリバイ】があると、決して犯人にはなりません

【証拠】が揃っている場合に【アリバイ】が主張できる

この関係性さえ飲み込めばストレスなくプレイできるでしょう
恋ヶ窪② 215
【犠牲者】が出たら【証拠】が出せる(メルド)。証拠が出たら【容疑者】が特定される。【現場】犠牲者に対応し、証拠【容疑者】に対応する。ついでにいえば【アリバイ】も容疑者に対応する

そして誰かが最後の手札を捨て札にしたら(手札をなくして上がる)、ラウンド終了です
ラウンドが終了したら犯人を特定します

その【容疑者】と同じ色のカード(証拠など)のポイントを合計し、一番ポイントが多い【容疑者】が犯人です
これは全体の場が対象です。必ずしも一人一人でポイントを算出するわけではありません
*ルールミス:ポイントの合計ではなくカードの枚数で比べてました

そしてその犯人に関連するカード(【容疑者】や【証拠】)のポイントは2倍になります

【容疑者】カードは4点、【証拠】カードは1枚2点ですから、【容疑者】を1枚だけ持っていれば4点×2倍=8点ですがよ、【証拠】は必ず3枚以上になるので最低で6点×2倍=12点になります
恋ヶ窪② 109
*もしここでラウンドが終わったら自分の場のポイントを合計する(カードの右上の数字)。この場合【犠牲者①】【証拠②】×3【証拠レイオフ②】×2=11ポイントを記録する
もしレイオフしておいた黄土色のカードと同じ色の【容疑者】が犯人だった場合は、このポイントは2倍になるのでレイオフの得点が8となり、合計15ポイントとなる。犯人逮捕になるべく絡みたいところ


しかしいくら合計点が一番高くても【アリバイ】カードが含まれていると、その容疑者はいくら怪しくても決して犯人にはなりません

〔証拠〕カードは【容疑者】が出ていなくてもプレイできますから、他の容疑者が【アリバイ】を主張して犯人にはなりえない場合、場に出ていない【容疑者】でも犯人になる可能性があります

それ以外の、自分が場に出したカードもポイントになります
そして、残った手札のポイントを減点します
*ルールミス:減点を忘れてました

これらを記録し、誰かが100点を超えたら勝利してゲームが終了します
他には、山札が2回尽きたときもゲームが終了します

そしてこれはオプションですが、自分の手番の最初に投票を呼びかけることができます
これは犯人になりそうな人物の名前をメモに書いて伏せておきます
そしてゲーム終了時に、犯人を当てていれば10点ボーナスです
外れてもペナルティはありません

今回のセッションではつい、投票を忘れてしまいましたが自分がラウンドを終わらせられると思ったなら投票を呼びかけるのがいいでしょう

しかし明らかに犯人が特定されすぎている場合は、全員が正解してしまってあまりうまみがありません
理想なのは、犯人候補が2人ほどいて、自分はどちらかの【アリバイ】カードを持っているときです

【アリバイ】カードはその容疑者は決して犯人にならないのですが、場には1枚しか存在できません
つまり、【アリバイ】が新しくプレイされるごとに、それまでの【アリバイ】は捨てられるのです

容疑から外れたから安心、というわけにはいかないのですね

できれば一番容疑が高まっている人物の【アリバイ】を持っていればいいのですが、とにかく投票してから【アリバイ】をプレイして、一方の容疑を除外すればいいのです
恋ヶ窪② 211
*あのーその時間、わたしクリケットしてましたが・・・

ほかには、自分がすでに90ポイント近くあり、あと10点少々で100点オーバーとなるなら正解がかぶってもいいでしょう

これは誰が犯人なのかを推理するのではなく、ゲームを通じて「誰を犯人にしようか」「誰が犯人になりそうか」を見極めてポイントを稼ぐゲームだといえます


誰かが上がったり、山札が2回尽きた場合は最後に犯人を特定するのでジャックの逮捕エンディングといいます

しかし
実はこのゲームではもう1つの終わり方、ジャック逃亡エンドがあるのです

【ジャック逃亡カード】は特殊なカードで、証拠でも裁判のカテゴリーでもありません
しかしこのカードの使い方は簡単です

場に【犠牲者】カードが5枚出ていれば、すぐさま【ジャック逃亡】をプレイしてラウンドは終了します
自分の手番でなくてもかまいません


どんな状況であれ、【犠牲者】が5人出た瞬間に【ジャック逃亡】をプレイしてラウンドが終了して【ジャック逃亡】をプレイしたプレイヤーは35点獲得し、場の【犠牲者】と【現場】カードはポイントになります

しかし犯人は逃亡してしまったので、他の容疑者や証拠はすべて無効です
そして残った手札も意味がないので無効となり、減点されることはありません

このサドンデス終了はゲームに緊張感を与えています
【犠牲者】が3人目、4人目になるとジャックの逃亡に気をつけなければならないからです

それなら【犠牲者】をそれ以上プレイしなければいいんじゃないの、と思われそうですがそうはいかない事情があります

【ジャック犯行】カードをプレイすると、山札から【犠牲者】が出るまでめくっていきます。上限は5枚ですが、それまでに【犠牲者】が出たらそこでストップします(その【犠牲者】をプレイしたことになるので、山札から2枚ドローできる)

さらに【警察長官解任】カードというがあります
このカードをプレイしたら、全プレイヤーはただちに自分の手札に【犠牲者】があれば場に出さなくてはならないのです。これは強制です
*もし手札に2枚以上の【犠牲者】を持っている場合はどうするのでしょうか。全部出すのでしょうか。英文のルールサマリーを見ると immediately put any VICTIM cards in their handとあって、必ずしも手札の中の全部の、とは言ってません
任意の(any)と書いてあるので、複数枚ある場合は選んで1枚でよさそうです


【ジャック犯行】と【警察長官解任】カードは、基本的にはジャックの逃亡を成功させるためのカードです

しかしラウンドの早い段階で【警察長官解任】を出されても誰も手札に【犠牲者】を持っていない場合が多いです

このゲームは山札が2回尽きてもラウンドが終了するのですが、山札を再シャフルした次点であまり場に【犠牲者】が出てなければ、誰かが握りこんでいる可能性はあります
恋ヶ窪② 210
*解任カードとジャック犯行カードは共に〔裁判カード〕のカテゴリーなので手番中に1枚しかプレイできない。ジャック犯行カードはどのカテゴリーにも当てはまらない。犠牲者が5人出たらすぐプレイして逃げろ!!

ジャック逃亡は条件が厳しいのでなかなか成功しません
【ジャック逃亡】カードがすでに捨てられている場合は、心置きなく(?)【犠牲者】をプレイできるでしょう

しかしすでに4枚の【犠牲者】が出ているとき、あなたは【現場】カードを使って捨て山の中から【ジャック逃亡】を拾ってくることができます
(捨て山から拾ってきたカードは公開しないといけない)

そして手札に5人めの【犠牲者】を持っているなら、勝利は目の前です
つまりその瞬間、切り裂きジャックはあなた自身なのです!


というわけで

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【コーヒーをもう一杯】
原作の映画や小説、もしくはこのゲームのように現実の有名な事件をテーマにした場合、その元ネタを知っていればより世界観に浸ることができるのはもちろんですが、ゲームを理解するのにも一役買ってます

例えばこのゲームの証拠カードは、必ず特定の容疑者に対応しています。それは同じ色なのですぐわかります
そして証拠の中には【手紙】いうカードがあります
恋ヶ窪② 212
*容疑者がいなくてもプレイできる唯一の証拠カード。ワイルドも対応できないので揃えるのは難しい

ゲームではこの【手紙】はどの容疑者とも対応してません
ではこの【手紙】とはなんのことかというと、1888年9月25日、セントラル・ニューズ・エイジェンシー新聞社に届いた切り裂きジャックを名乗る手紙が元ネタなのです

切り裂きジャック事件は、犯行予告や挑発などの手紙をマスコミに送りつける劇場型犯罪のハシリでもあったのです

切り裂きジャックの被害者については、8人や13人、20人とする説もありますが、確実に彼の犯行とされているのは5人だといわれています

だから【犠牲者】カードは5枚で、犠牲者が5人出たらジャックは逃亡するのですね

容疑者の中に女性が混じってますが、同時代の推理作家コナン・ドイルの「ジャックは女装した男性である」という推理から、さらに「ジャック=女性犯人説」の流れを踏まえてのことでしょう
恋ヶ窪② 201
*女性の容疑者もいます。このころからジェンダーフリーなのでしょうか

歴史上、これだけ有名な事件なので小説、映画、漫画で切り裂きジャックは登場しています
この事件は未解決で、いろんな解釈を入れやすいためいろんな媒体のクリエイターたちの創作意欲を刺激するのかも知れません

テレビシリーズの宇宙大作戦(スタートレック)にも切り裂きジャックネタがあるらしく(「惑星アルギリウスの殺人鬼」)脚本がなんとロバート・ブロックです!
おお、すごく見たい!
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ボードゲームでは「ホワイトチャペル日本語版」が記憶に新しいところです
こちらは「スコットランドヤード」を源流とする「ミスターX」の系列なので、警察とジャックの追跡ゲームです
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といいながら、まだ遊んだことがないのでヨドバシで見つけたら買ってみようかな
切り裂きジャックファンはマストバイ!

あしからず

メルトダウン2020

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◇とりあえずそっちは見殺す方向で

タイトルを聞いたときから一部では注目だったゲーム「メルトダウン2020」です!

どれだけ注目だったかというと、geekに日本語訳がアップされたということをtwitterで知った人たちがgeekに殺到したために一時上手くダウンロードできない、というプチ事件があったくらいです

まあ、自分ではまったく買う気はなかったのですが遊ばせてもらえるならそれに越したことはありません

ヘックスマスのボード(モジュラー型)に自分の色のミープルを配置していきます。どこに置くかはすでにヘックスに指示されてます

この自分のミープルたちを乗用車、バン、ヘリコプターを駆使して空港に運べば原発地帯から救助できたことになります(メカニクス的にいえばPick-up and Deliverですね)

プレイヤーの手番ごとに4フェイズあり、最初の1,2フェイズではダイスを振ってその目の原発が放射能を撒き散らします
カウンター1個なら原発の1ヘックス周囲は1シーベルトの被曝となり、もしここに人間(ミープル)がいたら体調が悪くなります(ミープルを横に倒して表現する)

同じダイス目が出れば原発カウンターは増えていくので放射能の濃度も高くなっていきます
2シーベルトの被曝で重態(ミープルをばったり倒す)で、さらに1シーベルトでもくらうと死亡します

不謹慎きわまりないゲームですねぇw

ダイスが振られるたびに放射能被害は広がっていき、ヘリコプターといえども移動力は4しかないのでとてもボード上の全てのミープルをピックアップできません

そして拾ったとしても安全地帯まで逃げられないと解れば、それはもう、見殺しにするしかないのです
これは「災害医療において最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること(Wikipediaより)」つまりトリアージの判断を迫られるゲームなのです

しかも脱出できる空港は2ヶ所しかなく、放射能被害から逃れながら空港に殺到すれば周辺は渋滞します(このゲームではヘックスでは乗り物駒は1つしかいられないのです)

さらにさらに
緊急事態で心の奥底の悪魔が目覚めたのでしょうか
すでに救助した車を、移動力が残っているからということで空港を塞ぐように配置するという暴挙に出るプレイヤーもでる始末!


ついに醜い本性を現したかーーーー!


しかしよく考えてみれば、これはゲームです
ゲームに勝つために、他プレイヤーの足を引っ張るのは当然の戦略なのです

自分が助かるのが第一
生物としてその判断は責められるものではありません

難破して一人しかつかまることのできない板があったら、自分が助かるために人を殺しても法律上は殺人にならないのです

同じようなパニックものである「パンデミック」は協力ゲームでしたが、このゲームを協力ゲームにしなかったことがデザイナーのある種のメッセージのようでもあります

第3フェイズで1回だけメンテナンスのチャンスがありますが、それも所詮ダイスなので、まったくの空振りに終わることが多いでしょう

不謹慎ゲームといえば「ニュークリアウォー」がありますが、あれよりはよっぽどゲームバランスが考えられてます

たかがゲームに世相のアイロニーを見るのもいいのですが、役に立たないダイス目が出るたびに頭を抱えてシニカルに爆笑するのが正しい遊び方でしょう

あ、すいません。このヘリ、自分の駒しか乗せられないので、お先に。   ということで

プロフィール

流星キック1998

Author:流星キック1998
チャンスがあればいつでもボードゲームがしたい!誰か遊んでプリーズ

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